【大根豆知識】大根が辛いのはなぜ?カイワレ大根って大根になる?

お野菜のちょっと気になる話題を紹介。

今回は「大根」にまつわるお話です。

 

大根にまつわるおもしろ小話

引用元:photoAC

私は根菜の中でも大根が大好きです。おでんの具で一番好きなのも大根です。おでんの季節になると、体が大根でできているのは?と思えるほどに大根ばかり食べています笑。

そんな大根ですが、気になる疑問がいくつかあります。それは、

  • 大根が部位ごとに辛いのはなぜ?
  • カイワレ大根って育てば大根になるの?

という点です。これ、みなさんもふとした瞬間に「・・・あれ?」と思ったことがあるのではないでしょうか笑。

今回はこの疑問を解消していきますよ!

 

大根が辛いのはなぜ?

大根を擦って食べるシーンも多いと思います。おいしいですよね、大根おろし。ただ擦る部位を間違えると、なかなか強烈な辛さを味わうことにもなります。あれ、不思議だと思いませんか?

大根は先端の方が辛く、根元の方が辛みが弱いという特徴があります。でもなぜ部位ごとに辛さに違いが生じるのでしょうか。

その答えは、大根という植物自身の部位の違いにありました。

大根の根元部分は”胚軸”と呼ばれる部分で、根っこで吸収した水分を地上部分に送る役割と、地上部分から得られた栄養分を根の先に送る役割を担っています。ということは、根元には水分がたっぷり含まれていて、栄養分の代表”糖分”もたっぷり含まれているということです。

 

一方で根っこ部分の役割は、栄養分を蓄積すること。しかしこの際、おいしい”糖分”をさらけ出していては、虫や他の動物に「あ、おいしそう」とかじられてしまい蓄えた意味がなくなってしまいます。そこで辛み成分を出し、他の生物に栄養分がとられないよう守っているのです。

部位ごとの役割を知ると、納得ですね!

辛いのが苦手な人は、できるだけ水分と甘みたっぷりな根元部分を食しましょう

 

カイワレ大根は育つと大根になる?

もうひとつの疑問、「カイワレ大根は育つと大根になる?」ですが、実際にカイワレ大根は、あの立派な大根の芽であることは事実です。だから育てば見慣れた大根に変身します。

ただ見てくれがあまりにも違うので「ホントかよ・・・」と思う人も少なくないでしょう笑。私もはじめは信じられませんでした笑。

大根は特徴的な育ち方をする植物です。カイワレ大根を見ると、双葉の部分の下にまっすぐ伸びた茎があります。しかし大根には茎のような姿は見当たりませんよね。

カイワレ大根の茎の部分、これは胚軸と呼ばれる部分です。

実は、成長過程でこの胚軸も根っこと一緒に太っていきます。あの茎のような部分が、丸々太った大根の根っこそのものになるのです!

驚きですよね。

見慣れている大根の根っこ部分もよ〜く観察してみると、ひげ根の跡のある部分と、何もないつやつやの部分の2カ所あることが分かります。

私達が食べている大根の根の部分は、カイワレ大根の茎のような部分が成長した姿なのです

 

おいしい大根を育ててみよう

引用元:photoAC

大根のおもしろ小話に興味をもっていただいたのであれば、きっと大根が好きな人なんじゃないかな〜と推測しております笑。

あなたが大好きで、美味しい大根を、ぜひ自分の手で育ててみませんか?

 

育て方のポイント

自分で育てるのはなんだか難しそう・・・と思われるかもしれませんが、コツさえ掴めば簡単に育てることはできます。はじめのうちは、根の小さな大根になってしまうかもしれませんが、それもまた楽しいのですよ。

”農業”経験のない初心者が大根を育てる場合には、秋に種をまくのがオススメだと言われています。涼しい気候を好む植物なので、4月または9月の種まきが推奨されています。

また初心者にありがちなミスなのですが、沢山収穫したいからといって間引き(苗が密集してしまうと生育が遅れたりするので、いくつかの苗を抜くこと)をしないのはNGです。適宜な間引きが、丸々太った大根を収穫するためのコツです。

 

種まき→間引き→収穫まで

それでは種をまいていきましょう。ここで紹介する方法は「レンタル農園※」など、ある程度区画を借りたうえでの栽培方法ですが、自分で応用して「ベランダ菜園」で実践してみても面白いかもしれません。

ちなみに大根の「葉」を収穫したい場合には、市販の大根の根元を水に浸けておくだけで収穫できますよ!

※レンタル農園とは、さまざまな目的のために貸し出される小規模な農園を指します。使われなくなった農地を貸し出している「市民農園」や、種や苗、農作業に使う道具の貸し出し、常駐スタッフによるサポートなども用意してくれる『シェア畑』などのレンタル農園もあります。

 

種まきの方法

  1. 農園に用意した畝(直線上に土を盛り上げたもの)に、紙コップや瓶の底を用いて深さ2〜3cmの穴を開けます
  2. 開けた穴に5粒ずつ、数cm間隔を開けた状態で十文字にまきます
  3. 種を隠すように、浅く土をかぶせます
  4. 発芽するまでは、土が乾かないよう水を与えます

保温・保湿効果のために穴あきマルチを張ることが推奨されています。

 

 

間引きの方法

  1. 順調にいけば、5〜7日ほどで発芽します。5粒種をまいたと思います。本葉(発芽後、子葉のあとに出てくる葉のこと)が2〜3枚になったら、2本間引きましょう
  2. 本葉が5〜6枚になったら1カ所1本になるように間引きます

細い葉っぱは間引きの対象です。また茎や葉が異様に長く伸び、しかもやわらかい状態のものを見つけたら、それも間引きの対象です。

 

収穫しよう

葉っぱが開いて、一番外側にある葉っぱが垂れてきた時が収穫の合図です。葉の付け根をしっかりと持って引き抜きましょう。

 

参考文献

1,稲垣栄洋,2016,『面白くて眠れなくなる植物学』,PHP研究所

2,佐倉朗夫,2014,『有機・無農薬栽培で安全安心な野菜づくり 佐倉教授「直伝」! 小さな菜園でも収穫倍増』,講談社

 

おすすめ大根料理

引用元:photoAC

最後に、私が個人的におすすめする大根料理をご紹介します。

と言いつつ、全然こったものは紹介しません。なんせ自分でつくった野菜は、そのままでも十分美味しいはずですから!私がおすすめしたいのは、シンプルなふろふき大根としらすおろしです。

 

ふろふき大根レシピ

用意する食材は、

  • 大根
  • 昆布

だけです。もちろん味付けの味噌ダレなどは用意した方が美味しいですが、それはもうお好みで!私は大根そのものが好きすぎて、これにほんのちょっと醤油や塩をかけるだけで全然食べられます。

  1. 大根は2~3㎝幅に丸く切りそろえます
  2. 厚めに皮をむき、大根の切り口面に十文字に軽く切り込みを入れます。こうすることで火の通りがよくなります
  3. 鍋に昆布と大根を入れ、大根がかぶるくらいの水を入れ、中火にかけます。
  4. 煮立ったら火を弱めて30~40分炊きます
  5. 竹串がすっと通れば完成です

 

しらすおろしレシピ

これは・・・レシピでも何でもないかもしれませんが、おろした大根の上にしらすをたっぷりかけるお酒のつまみですね!

  1. 大根おろしをつくります
  2. 大根おろしの上にしらすをかけます
  3. お好みでポン酢や醤油を垂らせば完成です

ただ、このシンプルな料理が大根の魅力を引き出すんですよね!私は「辛い辛い!」と言いながら、根っこの部分を使った辛みの強い大根おろしで食べるのが好きです。

 

おすすめ大根本!

最後におすすめの大根本をご紹介します笑。

 

 

食べるのもつくるのも美味しい大根ですが、アートにするのも楽しいですよ笑。食べるのがもったいなくなる大根おろしアートの本です。

以上、大根の魅力でした!

 

 

<ライター紹介>

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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。

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