寒冷紗とは。寒冷紗の使用目的や使い方、上手に使うためのポイントを紹介!
寒冷紗とは何か、使用目的や使い方について、紹介します。
目次
寒冷紗とは
寒冷紗(かんれいしゃ)とは、“ある程度”の保温や防風、防虫、遮光の効果があり、不織布や防虫ネットと良く似ている布のことです。
一般的な寒冷紗には、綿や麻の織り糸が使われています。農業用の寒冷紗には、農薬や天候などにも強いポリエチレン*1、ポリエステル*2、ポリ・エーテル・サルフォン*3などが使われています。
*1 ポリエチレンはビニール袋に使われている素材
*2 ポリエステルはペットボトルの原料
*3 ポリ・エーテル・サルフォンは耐熱性と強度に優れた素材
寒冷紗の種類
寒冷紗には、遮光率が高い『黒い寒冷紗』と遮光率が黒色より低い『白の寒冷紗』の2種類があります。
・黒色の寒冷紗
黒色の寒冷紗は光の遮光率が高いので夏や初秋頃に使うと、効果的です。
・白色の寒冷紗
白色の寒冷紗は遮光率が黒色の寒冷紗より20%位低いので冬の時期に使うと、効果的です。
寒冷紗の使用目的
寒冷紗の主な使用目的について、6つ紹介します。
季節ごとの使用目的
- 初春頃は、野菜の苗の保温と防風目的
- 夏は、暑い日差しから野菜を守る遮光目的
- 冬は、野菜の保温と防霜目的
防虫防鳥
害虫や害鳥からタネまき直後の種を守る防虫防鳥目的
遮光
発芽の妨げになる強い光や夏の強い日差しを和らげる遮光目的
水分の蒸発防止
発芽の際の水分蒸発の予防目的
冬の防寒、防凍と防霜
冬時期の寒さ、凍結や霜から野菜を守る目的
強風から守る
強風から野菜を守る目的
寒冷紗の使い方
ダイオ化成 4960256414913 ダイオ寒冷紗 白、1.8m×10m 白
基本的な使い方
寒冷紗は色ごとに効果的な使い方があります。
- 黒い寒冷紗
強い日差しの遮光、暑さの遮熱、乾燥防止 - 白い寒冷紗
冬の凍結や霜害予防と保温 - 銀色テープ入りの寒冷紗
縦じまに入っている銀色のテープが太陽光の反射によって害虫害鳥の防止
効果によって寒冷紗の色を使い分けるのもいいでしょう。
畑で使用する場合には、農作物に対してトンネルのようにかけます。
- トンネル用支柱を50㎝位の間隔で畝の周りにしっかり差し込む
- その上から寒冷紗をかける
- 風に飛ばされないように両脇に土を被せたり、紐でしばったり、レンガなど抑えたりする
プランターに使用する場合には、上からかけましょう。
- U字支柱をプランターの土の両脇に差し込む
- 交差した上の部分を麻紐などで縛り、その上から寒冷紗をかける
- 風で飛ばされないように両端をまとめて縛ったり、レンガなどで押えたりする
上手に使うためのコツ
寒冷紗を上手に使うためのコツを紹介していきます。
まず、寒冷紗は常にかけっぱなしにしないこと。
梅雨時期などの湿度が高い時期に寒冷紗をかけっぱなしにしていると風がある程度遮られてしまうので、加湿状態になります。するとカビが発生しやすくなり、野菜に病気が発生したり根が腐ったりしてしまいます。
寒冷紗は常にかけっぱなしにしないで季節や天候によって、かけたり外したりしましょう。
次に特性を理解して使うこと。
寒冷紗は、遮光、保温、防虫などに特化した製品に比べると、その効果がさほど期待できないこともあります。それを理解して使いましょう。例えば、 寒冷紗は遮光ネットほど光の遮光率はありません。不燃布ほど保温効果はなく、防虫ネットより虫除け効果はありません。
それぞれの「代用品」として使用することは可能ですが、“ある程度”の保温や防風、防虫、遮光の効果ということを忘れないようにしましょう。
最後に、季節や時期に合わせて使うこと。
季節や時期を間違えて使うと、野菜が日光不足に陥ります。特に、黒い寒冷紗の場合、日光を遮る遮光率が高いため、使用季節や時期に注意が必要です。
寒冷紗は通気性や保温性があるので何でも使えるように思われてしまいますが、上手に使わないと、野菜に悪影響を与えてしまいます。そのため、寒冷紗は季節や使用目的に合わせて、上手に使いましょう。
<ライター紹介>
Rikuw
はじめまして。自分で野菜を作って自給自足生活を目標にしているライターのRikuwです。
私の野菜作りは失敗も多いですが、毎年、少しずつ上達しています。
自らの体験を通して、ズボラで面倒くさがり屋さんでも出来るだけ簡単で失敗しない野菜の作り方をお伝えしていきたいと思います。
一緒に野菜作りを楽しみませんか。