苦土石灰は何のために使う?必要性や効果について解説!
雨の多い国として知られる日本では、酸性雨の影響で土壌が酸性に傾きがちです。草花や野菜にはこの酸性の土壌が苦手だったりそこでは育てなかったりするものも多いので、ガーデナーや家庭菜園が趣味の方が使用する土壌は改良が必要なことも多いですよね。
そんな時に便利なのが「苦土石灰」。
石灰を畑に撒くというのはよく聞く話かも知れませんが、「苦土石灰」はなにが違うのでしょう?今回は苦土石灰を使用する理由やメリット等、詳しくご紹介します!
「苦土石灰」読み方は?どんな効果があるの?
苦土石灰は「くどせっかい」と読みます。
土壌改良の効果が高いものとして「石灰(炭酸カルシウム)」が有名ですが、石灰にも色々と種類があり、苦土石灰もその一つです。
「苦土」というのはマグネシウムのことで、原料は「ドロマイト」という鉱物なのですが、これを利用することにより酸性に偏った土壌をアルカリ性に傾けることが可能です。
石灰の「炭酸カルシウム」により土壌にカルシウムを与えて植物の根っこを強く丈夫にすることができ、同時に苦土で土壌のマグネシウムを補うことができるので、石灰の中でも苦土石灰の需要は高いと言えます。
ちなみにマグネシウムが不足した土壌で野菜を栽培すると、葉っぱが黄色く変色したり、ひどいとそのまま枯れてしまったりするので、事前に栽培したい野菜に適した土の状態にしておくことが大切です。
苦土石灰の使い方
苦土石灰には粉状や粒状のものがありますので、自分の使いやすいものを選んでください。どちらにせよ、通常は1㎡あたり100g程度(一握りくらい)の量をパラパラと撒けばOKです。水分と交わることでゆっくりと効果が表れますので、他の肥料と一緒に使用するのではなく、実際に野菜を植える1、2週間前にはこの作業だけ単体で済ませておきましょう。
ただし野菜の栽培途中で「なんか葉っぱが黄色くなってきた!」となった場合には、その都度使用中の土に不土石灰を混ぜて構いません。プランター菜園の場合には、土の量がある程度決まっているので撒きすぎには注意しましょう。
ちなみに土壌の状態は次のような「PH測定器」を使用すると簡単にわかるのでおすすめです。
簡易PH測定器
※足長が約20cmあるので安定&土中深くまで計測することが可能です。簡易版ですがたまに土壌の状態を知る用としては十分に使える優秀な測定器です。
佐藤計量器/SATO ペーハー測定器pH計
※土壌や水質のPHも測定できる便利な測定器です。簡易版のものよりお値段は少々張りますが、水質調査にも使用できるだけあって防水加工なので菜園作業中も安心ですよ。
おすすめの苦土石灰
ホームセンターや通販サイトを見ると石灰系の商品がたくさんあり、どれにしようか迷ってしまいます。今回はその中でも使いやすい苦土石灰を紹介しますので、購入する際には参考にしていただければと思います。
高品位ドロマイト使用「苦土石灰」
こちらは苦土石灰の中で割と定番の商品で、趣味の家庭菜園作業者からプロの農家さんまで幅広く使用されています。いずれ口に入る野菜や果物の土壌作りにも安心の土壌改良剤で、その効果も高く安定していることから、フラッとお店に寄ったら欠品になっていることもあります・・・。
苦土石灰(松田商事製)
こちらは1㎏の少なめ粉上タイプですので、プランター菜園用にも使い勝手が良い商品です。先ほど、「プランター菜園の場合は土の量が限られているので苦土石灰の与えすぎに注意!」と紹介しましたが、こちらは緩行性なので多めに撒いてしまっても安心ですし、土壌中の有機物を分解することで土壌本来の力を高めるためにも有効です。
まとめ
苦土石灰は100%誰でも使用するという訳ではありませんが、年月が経った畑は酸性度や栄養分が偏りがちなので、定期的な土壌メンテナンスが必要です。もちろん酸性の土壌を好む植物もあれば偏った栄養分の土でも成長できる植物もあるのですが、野菜を植えてから「あれ?育たない」「葉っぱが黄色くなってる」となるよりは、野菜を植える前に余裕をもって土壌のメンテナンスをしたほうが安心ですよ!
<ライター紹介>
suzumushi23
絵本とハーブと猫が好きな社会人ライター。 仕事に家事・育児にと時間がないので、家庭菜園に「簡単さ」と「コスパ」を求めて試行錯誤中。