自給栽培の基本を学ぼう!自給栽培の鉄則は、最適条件と旬を守ること
野菜の自給栽培は、自給農業の中でも最も取り組みやすい内容だと考えています。稲作や畜産にチャレンジしてみたいものですが、まず自給農業にチャレンジするなら野菜から始めることをおすすめします。
野菜の自給栽培に取り組む場合には、必ず守らなければならないルールがあります。
それが「野菜に適した条件と旬を守ること」です。
野菜の自給栽培の鉄則を知る
鉄則を守ることが、自給農業の成功に近づく大きな一歩となります。
自給ですから、失敗してしまっても困るのは自分だけなので、自己流で実験的に育ててみるのも楽しいのは事実です笑。ただ、どうせならきちんと栽培を成功させて自信をつけていきたいですよね。
今回ご紹介する鉄則は、必要最低限のものです。植物の性質を理解していれば当たり前のことでもあるのですが、この鉄則を守るか守らないかで、自給農業のやりやすさは変わるといっても過言ではありません。
適地適作を守る
植物には元々原産地というものがあります。実際47都道府県別の特産品を見てみれば理解できるとは思いますが、リンゴは青森県といった寒い地域が生育に適していると言えますし、マンゴーなどの南国のフルーツは暑い地域だからこそ生育しやすいものです。
もちろん現代では、技術が発達し、湿度温度を調整することで暖かい地域でもリンゴは育てられるかもしれませんが、自然の法則からは反していますよね。
自然に反する栽培方法は、自給農業で実践するには難しいでしょう。
もし育てたい野菜があるのであれば、自分が用意した土地、「ベランダ菜園」や「レンタル農園」にそれが適しているかどうか確認する必要があります。
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旬を守る
また旬を守ることは大切です。
例えば、ナスやトマトなどは夏場に旬を迎えます。これも現代では技術の発展により、ハウス栽培などによって真冬でも穫ることは可能です。実際スーパーマーケットでは旬の季節でなくても、ナスやトマトが販売されているのを見かけることがあると思います。
しかし自給農業だからこそ、旬を守るべきだと考えます。
むしろ自給農業に取り組むからこそ、野菜本来の旬を学ぶ絶好の機会だと考えるべきでしょう。自給農業であっても、人工的に施設や資材を用意し、旬から外れた時期に野菜を育てることも可能ではあります。
でも自分でつくった野菜だからこそ気づくと思うのですが、旬をずれた野菜の味わいは圧倒的に変わります。面白いものですが、夏野菜のあの”みずみずしさ”は夏場だからこそ得られる味わいです。
自給農業で穫れたものとは別に、スーパーで旬の外れた野菜を食べてみてください。味が圧倒的に違いますよ。
守らないと何が起きる?
鉄則だとは言いますが、実際にこの2つを守らないとどのようなことが起こるのでしょうか。
自給農業を始める人の理由は様々だとは思いますが、”農業”を介して自然と触れ合ってみたい!と思う人もいれば、新たなビジネスとして取り組みたい人もいることでしょう。鉄則を守らないと起こることは、その両方の考えに通ずるものがあります。
経費がかかる
まずは大切なお金の面での問題です。
自然の法則に反する栽培方法を行いたい場合には、自然に反するために設備を整えなければなりません。ハウスを用意したり、温度調節をするための機材を調達したり、人工的に光を与えて植物を生育させたり、農薬が必要になったり・・・。
自然に反する設備を整える、ということはそれ相応に費用がかかるものです。
実際にスーパーマーケットで販売されている旬の外れた野菜は、やっぱりお値段が少々高くなりますよね。これはそれ相応にかかる費用のためだとも思いますし、圧倒的に収穫量が落ちることが原因だと思います。
自給農業に取り組む人の中で、食費代を浮かせるために取り組み始めた人もいるでしょう。私がそうです笑。そのような人にとっては、鉄則を守り、適作適地で旬のものをつくり食べることが、最も経済的に優しい自給農業だと考えています。
味が悪くなる?!
先でも紹介しましたが、スーパーマーケットで旬を外れた野菜を食べてみてください。まずい、とは言いませんが、旬を迎えた野菜とは違った味わいを感じるのではないでしょうか。
加えて”農業”や育てて食べることについて原点回帰してみると、旬の野菜を食べることには、その季節をうまく切り抜けるアイディアでもあるんですよね。
例えば夏野菜。夏野菜には水分が豊富な野菜が多いですよね。体を冷やす効果もあります。夏に旬の野菜を食べることは、暑い時期を乗り越えるためのアイディアとも言えます。冬野菜も同様です。根菜には体を温める効果がありますから、寒い時期を乗り越えるアイディアですよね。
旬を守らなければ味が悪くなる、一番美味しい味を楽しめないどころか、もっと言えば、人の生理機能にも影響を及ぼすと言えます。
鉄則を守って自給農業を成功へ!
冒頭で述べた通り、実験的に鉄則を守らずつくるのも、それはそれで楽しいです。ただ収穫という成果が欲しいのであれば、鉄則は守った方がベターでしょう。
植物の性質から考えても、その植物に適した条件と旬を守ることはとても重要であることは、容易に考えられます。収穫の成功のために、育てる野菜の特性を学んでおきましょう。
参考文献;中島正,2007,『農家が教える自給農業のはじめ方―自然卵・イネ・ムギ・野菜・果樹・農産加工』,農文協
<ライター紹介>
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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。