気になる疑問にお答えします!農薬を利用する意味について
スーパーなどで出回ている野菜のほとんどは農薬が使われています。しかしながら近年、食の安全・安心志向の高まりから、「農薬=悪」だという捉えてしまう人も少なくありません。そのような人にとっては「農薬を使わない作物は安心して食べられる」と感じることでしょう。
しかし農薬が作られた背景には生産者側の知識や経験が詰まっており、利用することによるメリットも計り知れないものがあると考えられます。
そこで農薬を使うことによって得られるメリットや、なぜ農薬が悪いものであると世間に広まったのかを考えていきます。
農薬を利用することにより得られるメリット
農薬を利用するメリットの前に少し話しておきたいことがあります。
そもそも農薬とは何かご存知でしょうか。
農薬といっても利用目的によって使い分けがあります。
農薬は大きく分けて3つあり、
- 殺虫剤
- 殺菌剤
- 除草剤
があります。
それぞれを上手く使い分けることで農薬のメリットが得られるというわけです。
それではそれぞれの効果について解説してきます。
殺虫剤の効果
まずは害虫対策に効果を発揮する殺虫剤です。
野菜は人間だけでなく、虫も大好きです。
中でも虫が発生しやすい暖かい季節になると農家の方の頭を悩ませます。
農作物に付着した虫をすべて手で取り除くのは大変です。
そこで殺虫剤を利用し、害虫から農作物を守るというわけです。
殺菌剤の効果
農作物も人間同様、病気になります。
病気によって葉が枯れてしまったり、根が腐ってしまうなど、取り返しのつかない事態にもなりかねません。
そういった植物病原菌(糸状菌や細菌)から農作物を守るため、殺菌剤を利用します。
除草剤の効果
農作物も雑草も土から栄養を得て育ちます。
なので雑草だらけの土では、農作物が十分に栄養を得られない可能性があります。
しかしながら雑草は抜いても抜いても生えてくるので、何も対策をしていないとその対応だけでもとんでもない労力が必要になります。
そこで除草剤の出番というわけです。
農業を営む人にとって、除草剤の存在ほどありがたい物はありません。
なぜ「農薬=悪」というイメージが広まったのか
野菜を育てる家庭においてとても便利な役割を果たしてくれる農薬ですが、なぜ世間では悪いものだというイメージが付いてしまったのでしょうか。
農薬は兵器ではありません。
人の健康を害するために開発されたわけでもありません。
では何のために農薬が作られたのか。
それは安定した生産量を保つことで我々の生活を豊かにするためです。
農作物が育つ過程で、人体に影響がないレベルの量しか使用していないはずなんです。
農薬は生産者側からすれば、労力を大幅に削減できる発明品です。
我々消費者が頻繁に野菜を摂取できるのも、安定した生産量を保てているからだということを考えると「農薬=悪」という考えも改めなければならないのではないでしょうか。
生活を豊かにするため
ここまで農薬の利用に対するメリットと、農薬に対する考え方についてお話ししました。
もし、農薬がなければ現在の食生活の維持は難しかったと考えられます。
農薬を使わないということは、農薬を使うメリットすべてが得られないということです。
常に害虫や病気のリスクが付きまとい、雑草駆除に追われる毎日。
あなたならそこまでして広大な畑を管理できると思いますか?
おそらく、農業という仕事に就く人すら今ほどいなくなるような気がします・・・。
無農薬で野菜づくりに取り組む人も0ではありませんが、
- 畑の管理が難しい
- 害虫の大量発生で売り物にならない
- 一見キレイに見えても虫食いがある
→販売することができない - 病気の発生で作物が収穫できなくなってしまった
というエピソードも巷にはあるようです。
無農薬で野菜をつくることはプロでも難しいのです。
無農薬栽培によって収穫された野菜が安心で安全だということは知った上で、今回は農薬の重要性について説明させてもらいました。
(ライター:shinichi910)