野菜好きになる絵本『エディのやさいばたけ』〜子供でもできる本格家庭菜園~
好奇心旺盛な子供が家庭菜園にも興味を持つことは自然なことだとして、いざ子供が「それをやりたい!」と言ったとしても「はいはい」「うちは狭くてできません」と邪険にしてしまう親御さんも多いのではないでしょうか?私も子供が野菜作りをやりたいと言ったときに「でも子供だし汚れるしなぁ」と少し悩んだものです。結局それがきっかけになって今では家族でささやかな家庭菜園を楽しめているのですが!
今回紹介する絵本『エディのやさいばたけ』に登場する主人公エディは、ママから快く畑を与えてもらいます。でも、大人でも大変でハードルの高い本格的な家庭菜園、果たしてどうなることやら・・・?と、次のページがとても気になる一冊です!
エディのやさいばたけ(作・サラ・ガーランド)
菜園作業中の子供の様子が表紙に描かれている大ぶりの絵本。菜園経験者ならより目を引く一冊です。「はたけをつくりたい!」と言った主人公の少年エディが、与えられた畑で種まきや苗植えから野菜作りを始めていくお話です。
作者のサラ・ガーランドさんはイギリスの絵本作家で、主人公の名前もエディなので外国のお話なイメージですよね。でもイラストや育てる野菜には和風な表現も目立ち、抵抗なく読み進めることができます。
- 読み聞かせは4歳から
- 自分で朗読するなら小学校低学年から
と、幼児が読むには内容が細かくてページ数も多めの絵本です。でもたくさんの馴染みある野菜の登場や主人公の妹(まだ赤ちゃん?)が手伝おうとする様子がとても可愛らしいので、読み聞かせる大人の工夫次第では2、3歳の子供でも理解して楽しめますよ。
少年エディが大きな菜園を作り上げられた理由
この絵本の中で、エディはたくさんの植物を育て上げます。ニンジン、えんどう豆、とうもろこしにかぼちゃなど、家庭菜園で王道の野菜はもちろん、ひまわりやナスタチウムなどの花も順調に育てます。ひまわりは庭の良いアクセントになっており、表紙でも目立っていますね。
「エディのように豊富な植物を育てるのは無理だな、凄いなエディ」と思いますが、この菜園作りの立役者は何といってもエディのママです。エディがこの年齢で畑に興味を持つのだから、きっと菜園上級者かプロの生産者なのかも知れません。
エディのママは、野菜作りに関する知識のないエディに様々なことを教え、一緒に実践していきます。
畑のならし方、肥料選びから一緒に種をまいたり害虫のナメクジを除去したりと、エディの菜園についての疑問を解決しながらの作業がとてもスムーズなのです。
普段、私たちが家庭菜園を始めたいと思うと、まず行うのがネットや本での情報収集ですよね。私もひたすらそれで庭の野菜やハーブを調べていますが、それでも未経験の植物が多すぎてまだまだ超初心者の域です。
エディが「これやりたい!」と畑作りを希望したときに大賛成して寄り添い、大変な作業を一緒に行ってくれる大人の存在が大きいのだなと強く感じます。
エディも怯えるナメクジの退治方法
菜園をしていると、植物に虫がつくことが多いですよね。エディのおじいちゃんも「芋虫は小鳥が食べてくれるし、アブラムシはテントウ虫が食べてくれる。ミミズは土中をかき混ぜてくれる」と、植物と虫たちの共存のお話をしてくれています。
しかし「ナメクジは庭中を食べつくしてしまう」という忠告もします。エディはとても心配になり、夜に庭へ出てママと共にたくさんのナメクジを捕まえます。
ここで絵本らしさなのか、大量に捕まえたとあるだけで実際に「捨てた」や「殺した」という表現はありません。ここは小さい子供でも安心して読むことができるのですが、実際の菜園でナメクジが出たら、私は即処分です!
ナメクジは害虫なので、実際の家庭菜園で見つけたら対策することを強くおすすめします!簡単に塩をかけても退治できますが、畑や庭専用のナメクジ駆除剤もありますので、菜園初心者の方は最初に取り揃えておいてほしいアイテムの1つです。
犬猫にも安全性の高い商品もありますので、庭にペットがいるご家庭でも安心して駆除剤を使っていただけますよ。
まとめ
エディが畑をつくりたいと言い、ママが賛同して実践させてあげる。このお話はそんな日常的なやり取りからスタートしていますが、実際に子供が自分の意思を示すことも、それに大人が同調することも、とてもポジティブな反応なのだと思います。菜園初心者の方も、調べながら、時に迷いながらでも土や植物に触れることで、「成功・失敗」よりもエディのように「生き生きと菜園作りを楽しむこと」ができるようになるはずですよ!
<ライター紹介>
suzumushi23
絵本とハーブと猫が好きな社会人ライター。 仕事に家事・育児にと時間がないので、家庭菜園に「簡単さ」と「コスパ」を求めて試行錯誤中。