さび病とは。さび病の症状や原因、予防法について
「さび病」は、野菜の葉の表面に鉄さびに似たオレンジ色の “盛り上がった” 病斑点が発生する病気です。野菜づくりを楽しむためにさび病の対策を知っていると、発病の予防や被害を少なくできます。
そこで、春から秋にかけて発生しやすい「さび病」とは何か、対処法や予防策について、紹介します。
目次
さび病とは
さび病は野菜だけでなく草花、庭木、果樹などの葉、茎、果実に発生する病気です。
発生しやすい時期
- 春から秋にかけて
- 気温が9℃~18℃位
- 雨が多い時期
に発生しやすいです。
ただし気温が24℃以上になると発生しにくいので、夏の暑い時期はさび病の発生が少ないです。
また、肥料過剰でも肥料不足でも、野菜の生育が悪くなると発生しやすいので要注意です。
初期症状
さび病の初期症状では、オレンジ色の “盛り上がった” 病斑点が発生します。
- 鉄がさびたようなオレンジ色
- 少し盛り上がった紡錘形(楕円形の両端が尖った型)か楕円形
- 小さなイボ状の斑点が葉に生じる
やがて、この病斑点のイボ状の薄皮が破れて、中から黄色や赤褐色のさびの色をした粉(胞子)が飛び散って、伝染します。
さび病の病斑点が多く発生すると、葉がねじれてまきあがります。悪化すると、枯れる可能性もあります。さび病が野菜の苗に発生すると、その生育を妨げます。早期の段階で落葉しやすくなるので注意が必要です。
2つの特徴
さび病の主な特徴は、
- 「絶対寄生菌」であることと
- 他の種類の野菜には寄生しないこと
です。
「絶対寄生菌」とは生育している野菜の細胞に限って寄生する菌のことです。さび病の病原菌は絶対寄生菌なので、生きた(生育している)野菜の細胞に限って寄生することができます。
また、さび病は同じ種類の野菜に寄生しても他の種類の野菜には、寄生しません。
例えば、ニラのさび病菌はネギには寄生しません。逆も然りです。
さび病が発生しやすい野菜
- 落花生
- インゲンマメ
- 枝豆
- ネギ
- タマネギ
- ニンニク
- ラッキョウ
- ニラ
- シソ
- レタス
- アスパラガス
- フキなど
さび病の対処法
さび病が発生してしまった場合には、迅速な対処を!
葉の処分
さび病が発生した葉を見つけたら摘み取って取り除き、畑以外の土の中に埋めたりして、処分しましょう。
石灰散布
さび病菌は酸性を好む一方、アルカリ性に弱いので、さび病が発生したら畑に石灰を撒くと、さび病菌の伝染拡大を抑制できます。
薬剤散布
さび病が発生した初期段階では、炭酸水素カリウムを主成分とした総合殺菌剤に展着剤を加えて、葉に散布しましょう。
展着剤を加えると薬剤が葉に付着するので、効果的です。
さび病の予防策
さび病は、以下の予防対策で早めの対策を!
さび病に感染していない苗選び
野菜の苗を購入する際は、さび病に感染していないものを選びましょう。
肥料過剰と肥料不足に注意
肥料の与え過ぎでも不足でも、野菜の株が弱ると発生しやすいのがさび病。肥料は適量を与えましょう。
水はけの良い環境
水はけが悪いと発生しやすいので、風通しを良くし、陽当たりの良い場所で野菜を育てましょう。
株の処分
収穫する際、株を土の中に残して置くとさび病の病原菌の越冬場所になってしまいます。野菜を収穫する際は、株も残さず取り除きましょう。
連作回避
土の中に残っている病原菌が次に栽培した野菜の株に伝染しないためにも連作は、避けましょう。
家庭菜園で人気のネギ!オススメのさび病予防策
ネギはさび病が発生しやすいので、「干しネギ栽培」で予防対処を!
「干しネギ栽培」の手順は以下の通りです。
- 春に植え付けをした苗を梅雨明け後の7月に1度掘り出す
- 3日位カラカラに天日干しする
- 再度定植する
この作業をすると、根張りがよくなるだけでなく、さび病や他の病気に対する耐病性が強くなります。
<ライター紹介>
Rikuw
はじめまして。自分で野菜を作って自給自足生活を目標にしているライターのRikuwです。
私の野菜作りは失敗も多いですが、毎年、少しずつ上達しています。
自らの体験を通して、ズボラで面倒くさがり屋さんでも出来るだけ簡単で失敗しない野菜の作り方をお伝えしていきたいと思います。
一緒に野菜作りを楽しみませんか。