立ち枯れ病 とは。立ち枯れ病の症状と原因、予防法について
丹精込めて育てている野菜に「立ち枯れ病」が発生したら、どう対処したらよいのでしょうか。野菜に立ち枯れ病が発生した場合、何もしないで放置しておくと野菜が枯れてしまいます。
目次
立ち枯れ病とは
立ち枯れ病は野菜だけでなく草花など、ほとんどの植物に発生する糸状菌(カビ)の病気です。
発生原因
立ち枯れ病の主な発生原因は、以下の3つです。
- 一般的に「カビ」と呼ばれている糸状菌が原因です。
このカビは畑の土の中に生息しているので、春になって野菜の生育が始まる頃になると、菌糸を伸ばして野菜の根や茎の部分を侵し始めます。 - 土の中に残って越冬した病原菌が、原因です。
野菜の収穫後に土の中に残って越冬した病原菌(糸状菌)は、気温が上がってくる春頃から繁殖を始め、梅雨時期や長雨などが続くと畑全体に広がっていきます。 - タネや株に既に病原菌が付着していたことが、原因です。
病原菌が付着したタネをまいたり株を植えたりすると、立ち枯れ病が再発する可能性があります。
症状
初期症状は生育不良です。病気が進行すると葉が黄色に変色し、株全体が立ち枯れて(倒れずに枯れて)しまいます。また、地面付近の株は褐色になって茎がくさり、枯れてしまいます。
発生しやすい時期
気温が段々と温かくなってくる4月頃から11月頃まで。
特に発生しやすい時期は、春と秋の長雨が長く続く時期です。
立ち枯れ病が発生しやすい野菜
- サツマイモ
- ホウレンソウなどの葉物類
- ハーブ類など
対処法
立ち枯れ病が発生してしまった場合には、以下の対処法で迅速な対応を!
焼却処分と薬剤散布
立ち枯れ病が発生してしまったら、発生した株と根の周りの土を一緒に取り除き、焼却処分と薬剤散布を!
焼却処分
発生した根株とその周りの土を一緒に取り除き、素早く焼却処分して他の株への感染を防ぎましょう。その際、枯れた葉や蕾なども一緒に処分し、使用した道具類も感染を防ぐために消毒しましょう。
立ち枯れ病の薬剤散布
病気が発生したら立ち枯れ病の薬剤散布をしましょう。
株の上部だけに発生した場合
薬剤散布をしなくても発生した部分の先から上の部分を全て切り取って焼却処分すると、病気の進行を止めることが可能な場合もあります。
畑全体に広がってしまった場合
立ち枯れ病が畑全体に広がってしまった場合は、薬剤を使って対処しましょう。
対処しないで放置した場合
立ち枯れ病が発生しても何の対処もしないで放置しておくと、以下の状態になります。
- 野菜の成長が止まります。
- 葉が萎れ、株の勢いがなくなってしまいます。
- 地面付近の苗の茎に発生した場合、茎が腐って細くなって株を支えられないので、倒れてしまいます。
- 立ち枯れ病は感染するので、放置しておくと他の株も感染します。
立ち枯れ病が発生したら早急に対処しましょう。
予防法
立ち枯れ病は、以下の予防法で早めに対処を!
野菜を育てる前に
- 畑の陽当たり、風通し、排水を良くする
- 畑の土を耕し、太陽熱で土を消毒する
- 有機成分が少ない土を用意する
タネまきや株の植え付けをする前にカニ殻をまいておくと効果的だと言われています。またタネは薄くまき、苗は浅く植え付けましょう。タネを厚くまいたり苗を深く植え付けしたりすると湿度が高くなり、立ち枯れ病が発生しやすくなります。
野菜を育てているときは
- こまめな間引きや剪定を心がける
- 窒素系肥料をやりすぎないよう注意
- 同じ種類の作物を育てる「連作」はNG
高温多湿な状態になると、立ち枯れ病が発生しやすくなるので、間引きや剪定はこまめに行いましょう。またコンパニオンプランツの活用もおすすめです。
<ライター紹介>
Rikuw
はじめまして。自分で野菜を作って自給自足生活を目標にしているライターのRikuwです。
私の野菜作りは失敗も多いですが、毎年、少しずつ上達しています。
自らの体験を通して、ズボラで面倒くさがり屋さんでも出来るだけ簡単で失敗しない野菜の作り方をお伝えしていきたいと思います。
一緒に野菜作りを楽しみませんか。