土づくりの基本。農業の基本である「土」について勉強しよう!

農業の基本は”土”です!

面白いことに、どんなに良い品種の種を植えても、土が悪いとうまく育ちません

その一方で、私の父が借りている市民農園の場合、土の状態が良いまま父に引き継がれたため、サラリーマンの父が週1回畑に足を運ぶと、野菜がボーボーに生えています(雑草もボーボーですが笑)。

 

「たかが土」だと思っていました。しかし、むしろ土こそが、農業には重要だったのです!

 

土について勉強しよう

引用元:pixabay

実際に野菜を育ててみると、土の重要性をありありと感じます。

植物は根を伸ばし、体を支えながら養分や水分を吸収することで成長する生き物です。それを考えると、土がどれほど植物にとって重要な存在かは一目瞭然です

最適な土の条件を知ろう

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野菜の生育に欠かせない土の条件はたった3つだけ。しかしこれらの条件は、野菜の生育を決める重要な3つなのです。

ふかふかとした土

まず1つ目が、ふかふかとした土であること。

「適度に隙間が空いている土」が重要です。これは植物が水分補給する上で非常に大事な条件なのです。

 

適度な隙間がある、ということは保水力と排水性があるということ。

 

例えば、植物の水やりを忘れてしまったとします。しかしふかふかな土であれば、保水力があるため、必要な水分を土の中で蓄えることができます。

適度な排水もできますから、大雨に見舞われても余分な水を土に蓄えずに済みます。自然界の植物は大雨が降っても、根腐れしませんよね。

pHが適切

小・中学校の理科で習う酸性・アルカリ性。土にとって、酸性かアルカリ性かを表すpHの数値はとても重要です。

ほとんどの植物は微酸性、弱酸性の状態を好みます。根の最適な状態を維持するためには強すぎる酸性もアルカリ性も好ましくありません。

例えば生育に必要となるカルシウムやマグネシウムなどの適切なアルカリ分が大雨などで流されてしまうと、土壌が酸性化し、根に悪影響を及ぼします。

 

沢山の生き物が棲んでいる

微生物はそこかしこに存在しています。もちろん、土の中にも微生物がいっぱい!そしてこの微生物や小さな動物達が、良い土の条件となります

 

生態ピラミッドの図を見てみましょう。

 

 

土の中に棲む小さな動物や微生物達は”分解者”。彼らが有機物を分解することで土の団粒化(噛み砕いて言えば、1つ目の条件であるふかふかの土にしてくれること)が進みます。また植物が肥料を吸収しやすいよう分解する役割も担っています。

 

もちろん土の中にいる微生物の中には、植物に害を与えるものも存在します。しかし彼ら自身はどこにでも存在する存在。生物多様性のバランスが取れていれば、農作物へ害が出る可能性は低くなります。

土をさわってみる

引用元:photoAC

はじめから良い条件の揃った土に出会えることはそうそう無いと言えます。しかし状態を知らなければ、条件に見合った土に整えるのは難しい。

そこでまずは、自分の手で土の状態を確かめてみましょう

土の状態を知る

色や触感について調べるだけで、土の特徴がわかります

とはいえ土と聞いて浮かぶのは、あの特徴的な真っ黒な色ですよね。砂質の土の場合には、白っぽかったり淡褐色ですが、色だけではなくつやにも注目してみましょう

真っ黒でつやがある

良い土の条件がほぼ揃っています。有機物が分解されると黒っぽい色になります。さわってみて柔らかければ、さっそく土づくりに励みましょう。肥料などを混ぜこみ、農作物を植えるのに万全な状態にします。

真っ黒だけれどつやがない

さわってみるとざらついた感じがあり、有機物の少ない砂質の土です。砂質の土の長所は通気性・排水性は良いところ。ただし保水性が低いため、こまめな水やりと施肥(肥料を与えること)を行なう必要があります

白っぽい、淡褐色の土

指先でこねてみましょう。その時ぬるぬるとした質感や形をつくることができたら、粘土質の高い土です。

粘土質の土の欠点は、通気性と排水性が悪いところ。粘土質を好まない野菜を育てたい場合、川砂やバーミキュライト(土壌改良用の土)を加え、状態を改善する必要があります。里芋や枝豆といった一部の野菜は粘土質を好みます。

土の層について学ぶ

次は、野菜が根を張ることができるかどうかを調べます。支柱を用意し、土にまっすぐ差します。この時すっと棒が入ればOKです。

棒の入りが15cmにも満たない場合には深く耕したり、畝(植えるために土を盛り上げた部分)を高くする必要があります

 

また土を掘ってみた時に、れき(小さな小石)が含まれていないか、水が出てこないかどうかも調べましょう。れきがなく簡単に掘れる土であれば、良好な土です。

れきが多い場合には、辛抱強くれきを取り除くしかありません。水が出てきた場合には、畝を高くつくり、地下水から植物を離す必要があります。

pHについて調べる

「pHについて調べる」と聞くと、化学が苦手だった人は抵抗があるかもしれませんね笑。でも調べ方は至って簡単です。市販されている測定キットや測定器を活用すれば、難しくありません

 

傾向として、日本の土壌は酸性が多いと言われています。が、これはあくまでも傾向であり、アルカリ性資材の入れ過ぎで、アルカリ性に傾いている土壌も存在します。

またpHは、農作物をつくるごとに変化するものなので、作付け前や収穫後にはその都度測っておいた方が、続けて農業を続ける場合には役に立ちます

電気伝導度について調べてみる

電気伝導度・・・これまた化学嫌いが卒倒してしまいそうな単語ですね笑。しかしこれを調べることで、土の中に含まれる”塩類濃度”の目安が分かります

塩類濃度が高いと、野菜に塩をかけてしまった時と同じような状態になります。塩をかけた野菜は水分が抜け出てしまいますよね。水分が抜けた野菜は、食べる分にはうまみが凝縮されて美味しいですが、育てる場合には非常に厄介です。枯れる原因になります。

 

塩類濃度を計り、その数値を目安に施肥量を調整しましょう。

実際にさわって体感することが大事

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土について学んだら、さっそく実践してみましょう。

せっかくですから、まずは身近な公園の土や市販で購入した土などをさわって比較してみましょう。さわってみると、同じ土だと思っていたものが、全く別ものであると分かります

自分で体感するからこそ分かることも沢山あります。もし時間に余裕があって、あなたが実験好きなのであれば、あえて土の条件などを加味しないまま作物を植えてみるのもおすすめですよ!我が家はよくそれで失敗しますが、結構楽しんでます笑!

一筋縄ではいかない農業を、自分の体で経験してみてください。

参考文献

1,加藤哲郎監修,2016,『いちばんよくわかる 超図解 土と肥料入門』,家の光協会

2,木村 秋則 石川 拓治,2015,『土の学校』,幻冬舎

 




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<ライター紹介>

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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。

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