家庭菜園でも有機野菜は楽しめる!プランターで楽しむ有機栽培
目次
プランターで有機栽培はできる!
自分で野菜をつくってみたい人におすすめなのが家庭菜園。広い畑を借りる必要も、庭も必要ありません。プランターで十分。そのうえ用意するプランターは100円均一のものでOK。
そんな簡単な家庭菜園で、有機栽培を楽しむこともできます!
もちろん慣れない有機栽培で失敗することもありますが、プランターで有機栽培に取り組むこと自体が難しいわけでは決してありません。
失敗経験もあるからこそ楽しい、プランターで楽しむ有機栽培についてご紹介します。
有機栽培について
有機栽培とは、
- 化学肥料・化学農薬を使わない
- 有機質のものだけでつくる
栽培方法です。
ちなみに市販されている「有機野菜」は、全て有機JASマークがつけられています。このマークは、第三者による認証をクリアしたものだけが表示できるマーク。「有機〇〇」という名称も、認証をクリアしていなければ表示することはできません。
この基準は厳しく、
- 化学肥料・化学農薬を使わない
- 有機質のものだけを利用する
- 3年以上化学的なものを利用しなかった土を利用する
- 遺伝子組み換えでない種を利用する
など様々な条件をクリアしなければ、認証されません。
※なお、「有機栽培=無農薬」という意味ではありません。有機栽培でも指定された有機質の農薬であれば利用可能です。また食品表示法では”無農薬”という表記は優良誤認を招くため、表示を禁止されています。本当に無農薬で栽培した場合でも、表記できないことになっています。
さっそく有機栽培を始めよう
プランター有機栽培で必要なものは、
- プランター
- 土
- 肥料(使いたくない場合には、不要)
- 種もしくは苗
プランターは形さえ問題なければ100円均一のものでOK。
土や肥料を買う時は、「化学肥料」に該当するものが入っていないか確認しましょう。
プランターの選び方
底が深いものを用意しましょう。
もちろん野菜によって、プランターに必要な深さ・広さは異なります。でも底の深いものを選べば、
- 野菜が存分に根を張れる
- 土が乾きにくくなる(水やりの頻度が減る)
といった利点があります。もちろん浅いから生えないということもありませんが、深いほうが野菜がのびのびと成長できますよ。
土の選び方
市販の「培養土」は、あらかじめ肥料分が含まれていることがほとんどです。この肥料分が
- 化学肥料ではないか
- 有機質のものを含んでいるか
を確認しましょう。
また育てる野菜によって、肥料分が成長を妨げることもあります。
そのような場合もふまえ、自分で土をつくるのもおすすめです。赤土や黒土をブレンドし、牛糞堆肥といった有機質が原料の完熟堆肥をすき込んで、つくってみましょう。
ただ慣れないうちは、有機質肥料を使った「培養土」で十分だと思います。
種や苗の選び方
「有機」記載のある種、苗を選びましょう。
例えば”有機”種子なら「グリーンフィールズ」さんがおすすめ(↓)。
なお野菜づくり自体がはじめての人におすすめな、育てやすい野菜を3つご紹介します。
おすすめ①シソ
育てやすい日本のハーブ「シソ」。
生育力が強く、水と光さえあれば育ちます。むしろ肥料の多い土で育てるとえぐみが出やすいので、はじめての有機栽培にはもってこいです!
注意点は、
- 虫に食われやすい
- 日当りが良すぎると葉が硬くなる
の2点です。
葉が柔らかいシソは虫にも好まれやすいのですが、その場合にはあらかじめ虫除けネットで覆っておくことをおすすめします。
半日陰で育てましょう。
おすすめ②バジル
シソと同じくらい育てやすいハーブ「バジル」。
- 日当り良好な場所
- たっぷりの水と肥料
を好む植物です。
野菜が元気かどうか、健康状態が分かりやすいのも、おすすめする理由の一つ。
たっぷりの水と肥料で、みずみずしい葉をつけるのですが、水や栄養が足りないとすぐに元気がなくなります。夏場はすぐに元気がなくなってしまう難点がありますが、分かりやすい成長で育てがいがありますよ!
おすすめ③トマト
実は、トマトの水やりって真剣にやると結構難しいんです。
コツとして、トマトの葉が少し垂れてきて「元気がないのかな?」って思った時に与えるとちょうど良いので、挑戦してみてください。
- 肥料のあげすぎNG
- 水のあげすぎNG
なので、栽培自体はちょっと難しいですが、失敗体験も成功体験も楽しめる定番のお野菜だと考えています。ぜひチャレンジを!
種類が豊富でワクワクするのも良いですね。
肥料の選び方
化学合成されたものではなく、「米ぬか」や「油かす」など、有機質のものを選びます。
家庭から出る生ゴミを利用するのもおすすめです。
- 別のプランターを用意
- 土を入れる
- 生ゴミを入れ、かき混ぜる
- 3〜4ヶ月経ったら黒土を入れる
- そのまま1ヶ月間寝かせて完成!
微生物の力を利用して、生ゴミを分解・発酵してつくる堆肥。プランターを別に用意したり、専用コンポスト(↓)を使ったり・・・ダンボールでもOK。
微生物がうまく働けるように、土の中の温度を15度以上に保つ必要があります。でも、土の中心に温度計を指し、15度以上に保てる場所に置いておくだけでOKなので、挑戦してみてくださいね。
病害虫対策
化学農薬を使わない有機栽培。野菜がすくすく成長する中で、病気や虫の害に直面することもあると思います。・・・が、安心してください!
食品を使った病害虫対策があるんです(→食品・植物由来成分で病害虫対策)。特に、米酢・トウガラシ・ニンニクを使った防虫剤は、つくりかたも簡単で便利ですよ。
他にも
- 虫除けネット
- 虫が好む色をした粘着シート
- 他の植物との寄せ植え
など対策方法はたくさん!安心して、プランター有機栽培を楽しんでください。
有機野菜づくりをもっと楽しみたい人へ
今回は「プランターでもできる有機栽培」についてご紹介しました。ただ、もしプランターで有機栽培を楽しむうちに
- もっと広い場所で野菜をつくってみたい
- もっと有機栽培にこだわりたい
と思った人は、ぜひ【シェア畑】というレンタル農園サービスを覗いてみてください。
都市近郊にある農地の一画を借りることができるこのサービス。すごいのが、
- 種・苗が利用料金に入っている
- 必要な道具は無料でレンタルできる
→手ぶらで有機野菜づくりを楽しめる!
という点。
野菜づくりに必要なもののほとんどが、借りる場所に用意されているので、プランター栽培以上に広い場所で、気軽に野菜づくりを楽しむことができるのです。そのうえ元・農家さんなどの菜園アドバイザーが常駐しているので、困ったことはすぐ相談できるのです!
見学無料なので、気になる人はぜひ【シェア畑】をチェックしてみてください。
参考文献
- サントリー本気野菜 育て方基礎 野菜の育て方
- 安藤康夫,2014,『プランターで有機栽培1: 土つくり・タネとり・苗つくり』,農文協
- 中島 正,2007,『農家が教える自給農業のはじめ方―自然卵・イネ・ムギ・野菜・果樹・農産加工』,農文協
<ライター紹介>
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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。