自然農法ってどんなもの?自然農法のやり方と家庭菜園での取り入れ方
自然農法とは?
「そもそも自然農法ってなに?」と聞かれると、なんとなく分かってはいても具体的な答えには困ることもあるのではないでしょうか?
自然農法とは簡単に言うと、農薬や化学肥料に頼らずに農作物をつくる栽培方法です。
さらに自然界のあらゆる生命を大切に扱い、一切を退けないことで本来の働きを引き出します。あらゆる生命ということで、土壌に生息する微生物や雑草などの生命も尊重します。これが尽きる事のない安定した農作物の生産に繋がるのです。
自然農法は環境破壊が進む近年では特に幅広く認識されるとともに、自然農法によってつくられた農作物はその安全性から人気が高まってきています。
自然農法の具体的なやり方は?
自然農法の具体的な栽培方法について、代表的な実践者の一人である福岡正信氏は次の4つを基本原則としています。
- 不耕起(耕さない)
- 無農薬(農薬を使わない)
- 無肥料(肥料を使わない)
- 無除草(除草しない)
ただ、同じく代表的な実践者でも、岡田茂吉氏は耕起や除草を行っても良いと言っています。この辺の采配や取り組み方(こだわりと言って良いかもしれません)は、実践者によって違うようです。この鷹揚さは、自宅で家庭菜園からやってみたいという方にとってもハードルが下がる部分ではないでしょうか。
ただし、どの実践者においても無農薬は実践しています。
無農薬で作物を育てることで、栄養素が豊富な皮まで食べる事ができるのも自然農法の大きなメリットです。「皮は不味くないの?」と思うかもしれませんが、農薬や化学肥料を使用せずに作った作物はえぐみや苦みが出にくいので、「皮が甘い、美味しい!」と感じることも多いようです。
家庭菜園でも取り入れたい自然農法
様々なメリットもある上に、無農薬、無肥料を実践することで環境に悪影響を与えることもない自然農法。「家庭菜園でもできるのかな?」と疑問に思いますよね。
でも特殊な農具や技が必要な訳ではなく、意欲があれば誰でも始めることができるのです!
土作りについて
先ほども紹介したように、自然農法では「基本的に土を耕さないのが好ましい」という意見が多いです。
「畑を耕すのが家庭菜園の基本中の基本!」と思いがちですが、耕すことで土中の微生物が必要以上に死んでしまいます。すると土壌本来の力が発揮できない事態になり、それを補うには結局、化学肥料を使用しなければならなくなるのです。
必要以上に土を耕さないことで、土中にミミズなどの虫や微生物が生息し、その存在が土壌を豊かなものにしてくれます。雑草も気合を入れて取る必要はありません。根を残して刈るのみにし、刈った草は地面に敷きます。
これを繰り返すことで、畑の表面に植物の死骸の層ができ、その下にまた微生物が育ちやすくなります。
種まき
基本的に直播きの場合は3粒前後を約20㎝前後開けてまきます。
土づくりの時点で耕していない自然な地表が出来ていると思いますが、種をまく部分だけは若干露出させてまきやすくしてOKです。
注意点
農作物は雑草に栄養をとられてしまうことも多いので、小まめに草刈するようにしてください。そして刈った草を積み重ねることで出来る層は、微生物を増やす以外にも土を乾燥させないメリットがありますので、なるべく面倒臭がらずに作り続けてください。
より良い土壌ができる事で、一段と美味しい農作物が期待できます。
まとめ
自然農法を行うことで、その土壌やそこに生きている様々な命と共存して生きることができます。家庭菜園の範囲内でも、そうしてできた農作物という実りをいただくことで、自らも自然界の流れに沿っていることを充分感じられることでしょう。
自然農法には基本的な原則はあるものの、細かい采配等については代表的な実践者であっても人それぞれです。ですので、あまり身構えずに、できそうなところから始めてみましょう!
<ライター紹介>
suzumushi23
絵本とハーブと猫が好きな社会人ライター。
仕事に家事・育児にと時間がないので、家庭菜園に「簡単さ」と「コスパ」を求めて試行錯誤中。