野菜好きになる絵本『だんしゃく王とメークイン女王』

今回紹介する絵本は2018年に発行された比較的新しい絵本『だんしゃく王とメークイン女王』です。

タイトルから分かるように、子供から大人までの好きな野菜トップ5には入っている人気野菜の「じゃがいも」が主役の絵本。正直、スーパーで買う際には「何種類かあるけど、まあ安いので良いやー」位にしかじゃがいもの種類について触れることのない私ですが、この絵本を読むことで「だんしゃくいも」と「メークイン」の違いがよく分かります

子供にもわかる優しい解説付きですし、大人が読んでも「なるほどね!」と勉強になる貴重な一冊です。

 

だんしゃく王とメークイン女王(文:苅田 澄子・絵:北村 裕花)

身近な食材をテーマに学びの要素も含みつつ楽しく読める、講談社の「食べるのだいすき よみきかせ絵本」シリーズの一作です。

数々の有名絵本作品を生み出している苅田澄子さんと北村裕花さんが描いた「だんしゃく王とメークイン女王」は、冒頭で紹介したように2018年発行の新しい作品。店頭でも新刊コーナーに並んでいることが多いので、絵本好きの方やよく本屋に行く方も「こんな本あったんだ!」と思われるかも知れません。

北村さんの独特でリアルかつ分かりやすい絵が特徴的なので探しやすく、絵本にしては32ページもある長編なので周りの本と比べて特別なオーラを放っているかも知れません。読み応えバッチリの大ボリュームながら、壮大なストーリーとジャガイモの知識が詰め込まれているので小さなお子様でも十分に楽しめるお話になっています。我が家の子供は毎日寝る前に2、3冊の絵本を読み聞かせないと寝てくれないのですが、「だんしゃく王とメークイン女王」なら1冊で満足して寝てくれるので個人的にお得感もある絵本です。

 

あらすじ

地面の下には様々な野菜の国があり、その中の1つであるジャガイモの国にはだんしゃく王とメークイン女王が家来と共に暮らしています。おなじじゃがいもで夫婦。さらに願いは共通して「カレーライスの具になること」と接点の多い二人なのに、なんととても仲が悪いのです。心配したさつまいもの国などの隣国の仲間たちが、二人を仲良くさせようとダンスパーティーを開くのですが失敗に終わってしまい・・・仲直りは無理かと思ってしまいますが、野菜に必ず起こるある変化が二人の距離に大きな影響を及ぼすのでした。

長編なので色々なことが起こりつつ、展開が面白くて子供と共に一気読みしてしまうこと間違いなしのお話です。じゃがいもの種類についてもよくわかるので、読後は子供の方が詳しくなってしまうかも知れませんよ。

 

だんしゃくいもとメークインの違いとは

じゃがいもは野菜の中でも特に品種が様々ですが、国内の生産量でみると最も多いのがだんしゃくいもとメークインです。なので、必然的にスーパーや産直売所ではこの2種類をみかけることが多いと思いますが、「どっちがどっちだっけ?」「特徴は?」と、曖昧になっている方も多いのではないでしょうか?

今回の絵本のイラストを見てもらうと覚えやすいと思いますが、

  • 丸くてごつごつしており、黄色みがかっているのが「男爵イモ」
  • 細長く表面が滑らかで土色をしているのが「メークイン」

です。絵本のイラストに特徴がよく表れていますよね。

どちらのじゃがいももカレーの具に使われることがありますが、煮崩れしにくいメークインの方を使用する方が一般的には多いようです。男爵イモはでんぷん質が多くて煮崩れしやすいので、どちらかというと崩れるのが前提のポテトサラダやコロッケに使われることが多いようですが、「ジャガイモが溶け込んだくらいのカレーが好き!」という方も少なからずいますので、そういう方はあえてカレーの具にだんしゃくいもを使って煮崩れするまで煮込んだりしています。お店のカレーもこちらの方が多かったりするので、料理によりというより、個人のお好みで選択して良いようです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?品種の違いで仲が悪いジャガイモ夫婦のお話ですが、なんだかんだで最後はハッピーエンドなので、年齢に関係なく誰でも楽しめる絵本なのではないかと思います。じゃがいもの知識、見た目の違い等を自然によく理解でき、読み終えた後には「食べてみたい」「育ててみたい」に繋がること間違いなしの絵本ですので、是非とも一度読んでいただければと思います!

 

 

<ライター紹介>

suzumushi23

絵本とハーブと猫が好きな社会人ライター。 仕事に家事・育児にと時間がないので、家庭菜園に「簡単さ」と「コスパ」を求めて試行錯誤中。

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