家庭菜園がうまくいかない5つの理由&うまく育てるためのコツを紹介
「自宅の小さなスペースから野菜づくりに励んでみたい」と考える人も少なくないでしょう。キッチンやベランダを利用した家庭菜園なら、気軽に野菜づくりを始めることができますし、収穫したものをすぐに食べる楽しみもあります。
しかし、はじめから収穫に成功する人ばかりではありません。
でも、家庭菜園がうまくいかない時にはきちんと理由があります。
目次
うまくいかない5つの理由
家庭菜園がうまくいかない理由の大半は、たくさん収穫が得たくて、良かれと思ってやったことも含まれています。しかし確実な収穫を得るためには、野菜の特性を知ることが重要です。
水のやりすぎ
家庭菜園がうまくいかない理由の代表例と言えます。
野菜の種類にもよりますが、大抵の野菜は水を必要とします。しかし野菜そのものの特性や、水はけの悪い土が水のやりすぎにつながり、野菜の生育に悪影響を及ぼすことも。
植物がうまく育つ土の条件は、
- 適度に隙間があり、ふかふかであること
- pHが適切であること
- 生物多様性に富んでいること
が挙げられます。
中でも「適度な隙間」は重要です。土に「適度な隙間」があれば、保水性と排水性のバランスが良くなります。そのため水が足りなくても、しばらくの間育つことができます。
しかし、水のやりすぎで土に水が溜まると「根腐れ」が起きます。
水をやる基準は「土が乾いているか否か」で判断することをおすすめします。土が乾いていない状態で何度も水やりをすることは避けましょう。
肥料のやりすぎ
元気な野菜を育てたいが故に、栄養をあげすぎるのも失敗のもとです。
プランターを用意して野菜を育てる場合、市販の土を用意しているのではないでしょうか。「野菜栽培用」と表記されている土の中には、あらかじめ野菜に必要な栄養素(肥料)が含まれている場合があります。
あらかじめ肥料が加えられている土に肥料を足してしまう人もいるようですが、そうすると栄養過多の土になり、野菜の生育に悪影響を及ぼします。市販の土を購入する場合には、内容をしっかり確認しましょう。
ただし、あらかじめ配合されている肥料は1ヶ月ほどで効果が切れてしまいます。そのため、場合によっては自分自身で肥料を用意し、追加で施す必要があります。
ただ野菜に適した肥料を選ばないと、あげてもあげても育たない場合もあるので、野菜の特徴を調べておくことは必須ですね。
育てる場所が悪い
植物には太陽光を好むものもいれば、日陰を好むものもいます。風通しの良い場所や、すこし湿った場所を好むものもいます。
野菜がもつ各々の特性を考えず、好き勝手に配置してしまうと、野菜がうまく育たない場合があります。
「野菜を収穫する」目的で始めたのであれば、家庭菜園の”見栄え”を重視するのではなく、野菜に生育しやすい環境を重視して設置しましょう。
苗と苗の距離
苗同士の距離にも注意が必要です。
家庭で育てる場合、広いお庭がある場合にはある程度苗の距離をあけることができますが、ベランダ菜園の場合、1つのプランターにいくつか苗を植えてしまったという人もいることでしょう。
実際に私も、細長いプランターに3種の苗を植たことがあるのですが、距離をあけなかったことが影響し、非常に成長が悪く、結局最も生育力の強い植物だけしか収穫することができませんでした。育ちの悪い作物は、枯れていくだけです。
収穫量の減少にもつながってしまうので、育てる場所が少ない場合には野菜の種類を厳選し、ゆとりある場所ですくすくと成長できるように心がけましょう。
間引きをしなかった
はじめての野菜づくりだと、どうしても量を収穫したくなりがちです。しかし間引きを行なわなければ、収穫量にも影響がでます。間引きは、野菜の生育に大きく影響します。
間引きをしないで、葉と葉が密集した状態で育て続けると、成長不良を起こし野菜が弱ってしまいます。また弱ることで、病害虫被害に遭いやすくなります。
間引きの対象となる苗は、ひょろひょろと長く伸びた生長しすぎた苗、弱々しい苗、葉の色が悪いものなどを選びましょう。残すべき葉は、健康的でつやのある、色鮮やかなものを選びます。
うまく育てるコツとは
うまくいかない5つの原因を知り、予防対策に努めることももちろん大切ですが、うまく育てるためのコツがあります。
それは主に、家庭農園にチャレンジする前の「準備段階」にあります。
栽培計画を立てる
「野菜が収穫できること」が目標なのは良いのですが、ただ植えれば良いだけにはなりません。あらかじめ栽培計画を立て、事前準備をしっかり行なうことが、うまく育てるコツと言えます。
何も「精密なスケジュール管理をしろ」というわけではありません。天候などに左右されやすいのですから、無理な計画を立ててもうまくいきません。
オススメは、育てたい野菜に優先順位をつけることです。
育てたい野菜といっても、まずは比較的簡単に育てることのできる野菜から始めることをオススメします。手間のかからない野菜を育て、その成功体験を得てどんどん野菜づくりにハマっていく方が、家庭農園を楽しく感じられるヒントなのではないかと考えています。
また野菜を育てるタイミングなどもしっかり把握しておきましょう。野菜の収穫を成功させたいのであえば、野菜栽培に適した条件だけでなく”旬”も重要になってきます。植える時期はしっかりと把握しておきましょう。
土をつくる
野菜の生育に適した環境として最も重要なのが土の存在です。
良い土の条件は通気性と保水性が良いことです。市販の土を用意しても構いませんが、しっかりと耕し、この条件が満たされるように植え付けの準備に励みましょう。耕すことによって柔らかくなった土は、野菜が根を伸ばしやすくなり、水や養分の吸収力も高まります。
深めのプランターを用意
元気な野菜を収穫したい場合には、あらかじめ深めのプランターを用意しておくことがオススメです。私は経験上、野菜の生長がうまくいきすぎて野菜に窮屈な思いをさせてしまったことが多々あります。
土の量が多ければ、その分植物が根を張り十分に生育できるスペースが増えるということ。保水力も格段にあがります。狭い場所より広い場所の方が育ちやすいのです。
とはいえベランダのような限られたスペースでは、プランターを用意するのが精一杯かと思います。その場合は、横広がりの大きなプランターではなく、深さのあるプランターで、植物が生育しやすい環境をつくりましょう。
日当りと風通しに意識を
日当りと風通しは、野菜の種類によって相性は様々ですが、基本的に日当りが良く風通しの良い場所を用意できるようにしましょう。特に風通しの悪い環境は、どちらかというと病害虫に最適な環境となってしまいます。野菜の敵に最適な環境がよろしくないのは一目瞭然ですね。
育てる野菜の種類、そして季節毎に置き場所を替えてみるといった工夫をしましょう。
野菜の特徴を捉えよう
やみくもに水をあげたり肥料をあげたりするだけでは、そう簡単に育たないのが野菜づくりの難しいところ。でも野菜の特性を知れば、うまく育たない理由にも納得がいきます。
でもうまく育たない原因に当てはまっていたとしても、失敗は成功のもとです。失敗によって野菜の特性を知ることになったのであれば、むしろ喜ばしいことですよ!だってそのおかげで新たな改善策に挑戦することができるのですから。
うまく育たなくて悩んでいる人も、再び野菜と向き合う良い機会だと思ってくださいね。
参考文献
- 初心者によくある失敗例を3つ紹介! 家庭菜園を成功させるコツとは
- ベランダで野菜を育てるコツ
- 第2回:間引き 菜園作業基本の「き」
- 小島理恵監修,2014,『はじめてでもカンタン! おいしいベランダ野菜』,西東社
<ライター紹介>
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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。