無農薬野菜をつくりたい人へ。無農薬で家庭菜園を成功させる5つの方法。

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家庭菜園を始めたり、畑のレンタルサービスを利用して野菜を育てる人の中には、「安心安全な野菜を自分でつくって食べたい」という思いから始めた人も少なくないのではないでしょうか。

食品表示法により、販売されている野菜の”無農薬”表記は禁止されています。しかし農薬を使わずに野菜を育てている農家さんもいますから、無農薬で野菜を育てることは不可能ではありません

そこで今回は無農薬で家庭菜園に挑戦する人へ向けて、農薬を利用しないで家庭菜園を成功させるための方法を5つ紹介していきます。

 

無農薬を成功させる5つの方法

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農薬の利用目的にはさまざまなものがあります。ですが、農薬を利用しない対策をとることもできます。農作物の収穫や生産効率をあげるために役立つ農薬ですが、使用が必須というわけではないのです

家庭菜園で無農薬に挑戦する場合には、以下の5つの方法を試してみてください。農薬の力を借りなくても、成功させることができるでしょう。

 

物理的に防除する

農薬の利用目的として挙げられるのが「防虫」です。しかしこれも農薬ではなく、物理的に防除することで対応は可能です。

例えば家庭菜園であれば、支柱とネットを用意するだけで簡単に防除できます

プランターや畑に生えている苗を防虫ネットで覆えば、虫の入り込みを防ぐことができます。害虫の代表格アブラムシの防除には網目1mmでも十分防除できますが。小さい害虫もいますから0.4mm〜0.6mmの網目がおすすめです。

 

また虫が好む色で誘い出し、粘着シートで捕えるという方法もあります。寄ってきた虫を片っ端から捕まえて、防除する方法も一緒に考えておきましょう。

 

 

コンパニオンプランツ

「共栄作物」「共存作物」とも呼ばれるコンパニオンプランツは、相性の良い野菜を一緒に育てることで病害虫の防除に役立ちます。有名な例としてダイコン(もしくはカブ)とニンジンを一緒に植えることが挙げられます。

ダイコンなどアブラナ科の植物にはモンシロチョウ、ニンジンなどセリ科の植物にはアゲハチョウが害虫になります。しかしこれらのチョウは、逆の野菜では卵を産みつけることができず、繁殖できないことが分かっています。

チョウはどうやら、卵を産みつけるのに好ましくない野菜があるとわざわざ避けて飛ぶようです。そのためダイコンとニンジンを一緒に植えると、モンシロチョウもアゲハチョウも寄ってこなくなるのです。

 

 

 

春菊やバジルも病害虫に強い植物の代表であり、他の野菜の害虫防除のために植えられることも多々あります。もちろん春菊とバジルで植えても、害虫の被害には遭いにくくなります。

 

 

参考文献:目指せ!減農薬菜園!コンパニオンプランツ タキイネット通販

 

食品を活用する

虫が寄ってきた時、私達が普段口にしている食品を利用した防虫スプレーを使ってみましょう。用途は「農薬」に値するかもしれませんが、農薬で不安視される項目(安全性など)はクリアするのではないでしょうか。

代表的な食品防虫スプレーの材料は

  • 米酢
  • にんにく
  • とうがらし

を使ったものです。米酢に皮をむき、押しつぶしたにんにくと、種を取り除いたとうがらしを入れ、30日ほど保存します

使用する際には、スプレーボトルに入れた水350mlに対してつくった原液を1ml加え、植物全体や葉の裏側に吹きかけるだけです。

材料に使用した酢やにんにく、とうがらしには、病害虫がニガテとする成分が含まれていますから、化学的な農薬を使用せずとも野菜を守ることができます。

 

観察と間引き

意外と重要なのが、野菜を育てる際どれだけ野菜の変化を観察できるか、ということです。

病害虫の被害に遭いやすい野菜もありますが、人間が風邪をひくのと同じように、株が弱っているところを狙って病害虫はやってきます。そのため天候不良や栄養不足、弱っている葉の存在などを観察し、積極的に対策を練ることが重要なのです。

病害虫の被害に遭いやすそうな葉は、積極的に間引きましょう

痛んでしまった葉から病害虫被害は広がりますから、先で紹介した3つの方法でも被害にあってしまったら、ひたすら痛んだ葉を摘むしかありません。元気な葉や芽のために、間引きは必須なのです。

変化にすぐ対応できるよう、じっくり野菜を観察してみましょう。

 

育てやすい野菜を選ぶ

まず育てやすい野菜から無農薬に挑戦することも大切です。「病害虫なんてなんのその!」な野菜は結構多いです。代表的な野菜には、

  • ネギ
  • わけぎ
  • じゃがいも
  • にんにく

などが挙げられます。

ネギはほぼ1年中収穫が可能なうえ、株元を切り落とすことですぐに新しい芽が生えてくるタフな野菜です。じゃがいもも、芽が生えてしまった市販のじゃがいもを種芋代わりにしてもばんばん生えます。にんにくは越冬してくれるので、はじめての秋植えにもおすすめです。

ニガテな人もいるかもしれませんが、パクチーも驚くほどタフなハーブなので、育てやすいですよ。無農薬でも虫に食われることはほぼありません。

 

 

元々生育力が強く、病害虫に強い野菜を選ぶことも、無農薬で家庭菜園を成功させるためには重要ですよ。

農薬について

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今回家庭菜園を無農薬で成功させるための方法をご紹介しましたが、「農薬=悪」では決してないことをお伝えしたいです。

農薬は農作物を害虫、病気、雑草などの有害生物から守るために使われるものです。「生き物を殺す」「体に悪い」というイメージが多いですが、適切に利用すれば、農作物を病害虫から守るだけでなく、収穫量や品質の安定など効率性に結びつく利点もたくさんあるのです。

 

農薬は悪なのか

農薬と聞くと、どうしても「体に悪いのでは?」というイメージが強いようですが、虫に特化して作用するように製造されたものがほとんどで、ヒトへの毒性は低いものが多いです。

毒性の作用する濃度は虫とヒトとで違いますし、野菜が農薬を取り込んだ後、代謝・分解されるかどうかがしっかりと確認されてから販売されます。

使用方法や適正量を守る必要はあります。マスクやゴーグルをつけて散布する必要のある強い農薬もありますが、使用方法を守れば安全性が確保されるようにあらかじめ設計されています

不安視される理由も分からなくはありませんが、「農薬=悪ではない」と私は考えています。

 

農薬は必須ではない

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ただ「農薬=悪」ではないと考えているとはいえ、農薬を使わずに病害虫から農作物を守ることができるのであれば、農薬の力を借りないほうが安心感はあるのだろうとも思います。

先で紹介した5つの方法であれば、無農薬を実現することはできます。

捉え方や工夫次第で、病害虫や雑草を活かして野菜づくりに挑戦することもできますよ。『プランターで有機栽培1』の著者・安藤康夫さんは、害虫であるコガネムシの幼虫を堆肥用の土へ入れ、生ごみ等々を分解する益虫として利用しています

 

 

『奇跡のリンゴ』でおなじみの木村秋則さんが行なう”自然農法”なら、無農薬かつ無肥料で育てる農法ですから、雑草をも活かすことができます。

 

 

農薬は必須ではありません。だからこそ、家庭菜園でも無農薬栽培は可能と言えます。まずは一度取り組んでみてください。はじめは失敗するかもしれませんが、農薬の力なしで育った野菜の底力を見届けてみてください。

 

参考文献:農薬はどうして効くの?教えて農薬Q&A 農薬工業会

 

<ライター紹介>

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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。

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