野菜の「安全性」とは。残留農薬や有機野菜について知っておきたいこと。

突然ですが、野菜の”安全性”について考えたことはありますか?「毎日食べるものだからこそ、不安のないようにしたい」そう考える人の中には、「食の安心・安全のために、野菜を自分でつくってしまう」なんて人もいるかもしれませんね。

今回は毎日食べる野菜の”安全性”、現代社会で問題とされている話題について調べてみました

残留農薬が危険?

引用元:photoAC

まずは残留農薬について。「残留農薬」と聞くと、どんな印象を抱きますか。「あまり心地のいい言葉ではない」という人が多いのではないでしょうか。ただ実際には”何が問題か”がハッキリと見えてこないように思えます

そこで問題視されている残留農薬について調べてみました。

残留農薬の規制

Enviromental Working Group(EWG:環境ワーキンググループ)という団体が、毎年「農薬が多い野菜」「農薬が少ない野菜」のランキングを発表しています。有害物質の調査を行なっているNPO団体であり、残留農薬について定期的に調べています。

残留農薬に関しては、その野菜を食べた人に健康被害がないように、国によって厳しい規制があります。

日本の規制はゆるゆる?!

が、噂によれば、日本はこの規制が他の国に比べてゆるいのではないか?!と言われているのです。

そもそも日本は農薬使用量の多い国だと言われています。2010年までのデータ集計では、単位面積あたりの農薬使用量がアメリカの約7倍でした。アメリカの規模を考えたうえでの約7倍は・・・まずい気もします。

残留農薬が及ぼす健康被害

残留農薬野菜を食べ続けると、

  • めまい
  • 吐き気
  • かぶれ
  • 発熱

などの症状を引き起こすと言われています。もちろん日本も、他国に比べて農薬使用量や残留農薬が多いとはいえ、即座に健康被害が出るような野菜を「販売してOKよ」とはさすがに言いません。

とはいえ、「世界各国から見ても、やっぱり規制がゆるすぎる」という意見も・・・。

調理前の下準備で残留農薬をカットしよう

個人的には、日本が農薬に関する毒性試験を全く行なっていないとは思えませんし、残留農薬が怖くて野菜が食べられなくなる=栄養が偏る・・・のような構図が出来上がる方が怖いので、あまり気にしていません笑。

とはいえ少しでも不安な人は、調理前の下準備を徹底するようにしてください

  1. 食べる前に流水でちゃんと洗う
  2. 葉物野菜は外側の葉をとりのぞく
  3. 表面をやわらかい布でこする
  4. 洗った野菜はちゃんとふきとる

もっと不安な人はお酢で洗おう

上記の下準備(というか”よく洗う”)で十分だとは思うのですが、お酢で洗うのも効果的です。ただ、どちらかというと残留農薬対策というよりは、土に付着している微生物の除去に効果的な方法です。

いずれにせよ、ここまですれば”かなり”安心なはず。

有機野菜が危険?

次に「有機野菜は実は安全な食べ物ではない」という話題について紹介します。健康を意識して、有機野菜を選んで食べている人にとっては、かなり衝撃的な内容なのではないでしょうか。

有機野菜の”何”が危険と言われているのでしょうか。

肥料の中の微生物が危ない?!

まず挙げられているのは、有機野菜そのものではなく、有機野菜の栽培に重要な”土”や有機質肥料に含まれている”微生物”による危険性です。有機栽培は化学的に製造された肥料・農薬を使用することができません。

肥料には有機質肥料という

  • 家畜のフン
  • 腐葉土
  • 油カス

などを原料とした肥料を用います。

有機質肥料の発酵が不十分だと危険!?

有機肥料は、原材料が微生物発酵で完熟することで完成します。その過程で熱が発生するため、野菜や人に害を与える微生物は死滅します。・・・が、ここで有機質肥料の発酵が不十分だと「大腸菌」のような病原菌の残存可能性が浮上します

病害菌(もちろん通常の微生物も)を含んだ土がついた野菜をそのまま口にすれば、食中毒の危険性も否めません。

手作り肥料に要注意

有機質肥料の発酵不足の危険性は事実ですが、おそらく市販の有機野菜は大丈夫でしょう。なぜかと言えば、それこそ土づくりに力を注ぐ人が多いはずですから、そもそも未発酵の肥料を使おうと考える農家さんはいないはずです

ただ!注意しなければならないのは、「自分で土づくり、野菜づくりに挑戦する人」の作った手作り肥料です。発酵しきったかどうかを確認するのは、初体験ではどうしても確信が持てないと思います。

食べ方に気をつければ危険じゃない

でも、基本的には食べ方さえ気をつければ「有機野菜=危険」にはならないでしょう。

野菜づくり初心者のつくった有機質肥料がついてようが、プロ農家のつくった土のついた野菜だろうが、そのまま口に入れるのは避けましょう。水洗い、皮向き、加熱など、危険と呼ばれる原因の除去の徹底を!

硝酸性窒素が危ない?!

「有機野菜が危険」という噂でよく言われるのが「硝酸性窒素」です。過剰摂取すると、肉や魚のたんぱく質と結合し、発がん性物質を発生させるのでは・・・?!と噂されている物質です

野菜にたくさん含まれている

野菜の生育には窒素が必要になるのですが、野菜は肥料分から必要な窒素を吸収すると、体内で硝酸生窒素に変えてしまうと言います。そのため、

  • 野菜を食べる→人の体に硝酸性窒素が蓄積

という構図が出来上がり、危険視されています。

欧米では幼児死亡事例も

欧米では、赤ちゃんに野菜を与えた結果(恐らく過剰に摂取させてしまったのでしょう)、硝酸性窒素の過剰摂取により赤ちゃんが死亡するというケースも報告されています。人体への害は、実証されてしまったのです。

 

どの野菜にも含まれているから問題ないのでは?

乳児に硝酸性窒素(を含む野菜)を大量摂取させれば健康被害を発症することは事実だけれど、「発がん性物質を発生させるのでは・・・?」という可能性しか示唆されていません。実はまだまだはっきりしていないんですよね

それに「硝酸性窒素が怖いから野菜を食べない」訳にもいきませんよね。何事も”過剰”がNGなのであって、そこまで危険視する問題ではないのでは?というのが個人的な意見です

 

参考文献

1,Environmental Working Group

2,残留農薬やバクテリアを除去できる、野菜や果物の「正しい」洗い方

3,日本人だけが知らない!日本の野菜は海外で「汚染物」扱いされている

4,本当は危険な有機野菜 安全? 健康にいい? 何の根拠もありません

 

<ライター紹介>

kkk0123kkk

いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。

スポンサーリンク

Follow me!