自分で野菜を作る時に便利な豆知識、野菜のタネのまき方
春がやってくると待ちに待った春野菜のタネまきシーズン到来です。野菜のタネのまき方には色々なまき方があり、それぞれ理由があります。
目次
野菜のタネのまき方3種
野菜のタネのまきは、「ばらまき」、「条まき」、「点まき」の3つのいずれかの方法で行われます。
ばらまき
土の表面にまんべんなくタネをまく方法です。苗作りにもおすすめです。
ばらまきに適している野菜には、
- ホウレンソウ
- 小松菜
- ツマミナ
- ツケナ類など
が挙げられます。
条まき
畝の表面に“まき溝”を作ってからタネをまく方法です。
条まきが適している野菜には、
- ホウレンソウ
- 人参
- 春菊
- ゴボウなど
が挙げられます。
点まき
畝に1㎝位の凹み(穴)を作り、1か所に数粒のタネをまく方法です。
点まきに適している野菜には、
- 人参
- 大根
- かぶなど
が挙げられます。
芽出しまきって知ってる?
「芽出しまき」とは
「芽出しまき」は、25度C以上の高温環境になると発芽率が悪いタネを水に浸け、低温環境で管理をして、発芽しやすくする方法です。
芽出しまきが適している野菜には、
- ミツバ
- ホウレンソウ
- レタスなど
が挙げられます。
芽出しまきのまき方
- タネを半日から1日位水の中に浸けて涼しい場所で管理
- 浮いてきたタネは捨てる
- 1日に1~2回位取り替える
- ザルなどの上に布を敷き、その上にタネを出して水切りをする
- 布にタネを軽く包み、乾燥しないようにビニール袋の中に入れて口を輪ゴムで締める
- 2~3㎝位発根したらまく※
※発根を傷めないように、砂をビニール袋の中に入れると効果的です。
冬は暖かくて陽当たりの良い場所に、夏は日陰の場所に置いておきましょう。
用途に合わせて変えるタネまき方3種
野菜のタネをまく時は、
- 耕作面積が狭い場合
- タネの無駄使い防止
- 初期成育の促進
の3つの用途に合ったまき方でまくと、管理作業も簡単で育てやすいです。
栽培面積が狭い場合
「ばらまき」がおすすめです。
狭い栽培面積を有効利用できますし、畝の全面にタネをばらまくので作業が簡単です。また苗づくりをする際も、苗床面積が少なく済みます。
適している野菜の品種には
- ツマミナなど、大きく育てないで若いうちに収穫する野菜
- キャベツなど、苗作りをする野菜
が挙げられます。
タネの無駄使い防止
「点まき」がおすすめです。
「条まき」とは異なり、多くの発芽した株を捨てる必要がないため、沢山のタネが無駄になりません。またあらかじめ株間を決めてから1か所に数粒位のタネをまいて育てるので管理作業が簡単です。
適している野菜には、レタスや大根など株間が30㎝位必要な野菜が挙げられます。
初期成育の促進
「点まき」と「条まき」がおすすめです。
このまき方なら、発芽が揃って株間が混み合うため、株同士が競争し合います。このことが初期成育を促進させます。
適している野菜には人参やゴボウなど、発芽力が弱く、発芽後の初期成育がゆっくりと成長する野菜が挙げられます。
タネの特性に合わせたまき方2種―『好光性種子』と『嫌光性種子』
野菜のタネには光の影響を全く受けない種子もありますが、光が当たると発芽しやすくなる「好光性種子」(こうこうせいしゅし)と、逆に光が当たると発芽しにくくなる「嫌光性種子」(けんこうせいしゅし)の2種類があります。
「好光性種子」(別名:光発芽種子/明発芽種子)
好光性種子の品種には、
- ゴボウ
- シソ
- レタス
- セロリ
- ミツバ
- ツケナ
- イチゴ
- バジル
- シソ
- パセリ
- 人参
- 春菊
- インゲン
- かぶなど
があります。
好光性種子の場合、タネまき後の覆土は軽くかける程度に留めておきましょう。覆土の代わりに敷きわらなどを上に載せてもOKです!
「嫌光性種子」(別名:暗発芽種子)
嫌光性種子の品種には
- ニラ
- トマト
- ピーマン
- スイカ
- メロン
- ウリ
- タマネギ
- ネギ
- ナス
- キュウリ
- 大豆など
があります。
嫌光性種子は光を嫌いますから、細かい土をタネの上からしっかりかけ、光に当てないよう十分注意しましょう