野菜好きになる絵本『ちいさなたまねぎさん』~勇敢なたまねぎのお話~

今回の絵本の主役は玉ねぎです。 玉ねぎって、大人でも好き嫌いが分かれたりしませんか?私は大人になった現在となってはむしろ無いと困る野菜ランキング上位に勝手にランク付けしているのですが、10代までははっきり言って苦手な野菜でした。玉ねぎって硬いし辛いし、お手伝いで切っていると目に染みるし・・・バーベキューでそのまま焼いたものを食べられる人は大人だなぁとしみじみ感じていました。 今回紹介する絵本では、この玉ねぎの苦手なイメージ部分が強みとなるので必見です。この絵本を小さいころに読んでおけば、若いころの玉ねぎ嫌いも改善されていたかな?と思います。  

ちいさなたまねぎさん(作:せなけいこ)

作者のせなけいこさんといえば、日本を代表すると言っても過言ではないくらい有名な絵本作家さんです。 作品数は50を優に超えており、今の小さい子たちのみならず、その両親や祖父母もお世話になったことが一度はあるであろう作家さんです。作品によって夜やオバケがテーマの少し怖いストーリーもあるのですが、独特の切り絵イラストが可愛さを持ち、未就学児でも楽しく読める絵本ばかりです。 その中でも今回紹介したいのは『ちいさなたまねぎさん』。 ねずみにかじられて泣いているじゃがいもさんを守るため、台所の食器や調理器具、他の野菜たちと共にねずみに立ち向かいます。勇敢な玉ねぎさんの戦い方とは!? ・・・この絵本、出版年が1977年と、大体40年前には登場していたのですが、現代の子からすると、「そもそもねずみが家の中に入ってくるの?」「野菜かじっちゃうの?」という驚きもあると思います。 ただ私の子供時代(大体30年前?)には、家にあった米袋をかじられたり、飼い猫がねずみを追いかけていたりと割と普通の光景だったので、そんな時代の移り変わりも感じていただける一冊です。

玉ねぎの苦手要素こそ栄養のカギ!

玉ねぎというと、先ほど紹介したように「目に染みる」「辛い」などの特徴があり、これを理由に料理したり食べたりするのを避ける方は大人でも割と多いです。 でも、これはなくてはならない玉ねぎの長所でもあります。 まず、目に染みるのは玉ねぎの「硫化アリル」という成分が、目や鼻に刺激を与えて起こるものなのですが、この硫化アリルは加熱することで甘みが増しますさらに胃の粘膜を保護する役割も担うため、小さなお子さんの食事にも是非食べてほしい野菜のひとつなのです。 さらにカリウムが夏野菜並みに豊富なのも玉ねぎの魅力。カリウムは体内の余分な塩分・水分を体外に排出してくれるので、むくみ防止やダイエット効果も期待できます。料理次第では甘く柔らかくなる玉ねぎですので、子どもから大人まで、是非定期的に食べてほしい野菜です。  

おすすめ玉ねぎの種類

絵本を読んで子供が玉ねぎに興味を持ったら家庭菜園で一緒に育ててみるのもおすすめです。ここではホームセンターでも手に入りやすい、おすすめの種をご紹介します。

タキイ「ターボ」

種を多く取り扱うタキイの「ターボ」。種売場で一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか? この玉ねぎは「絵本に登場するたまねぎさんの品種では?」と思ってしまうほどに色ツヤが良く出ますし、病気にも強いので栽培する過程でも安心です

タキイ「ケルたま」

栄養成分ケルセチンが通常の玉ねぎよりも豊富なケルたま。ケルセチンは抗酸化作用や血液サラサラ効果のある健康成分で、水に溶けだすことで甘みが増すとも言われます。スープやみそ汁に最適ですので、毎日の料理にも使いやすい玉ねぎですよ。

カネコ種苗「レッドグラマー」

こちらは早生赤タマネギ品種。見た目にも赤くて通常の玉ねぎとは異なりますね。赤玉ねぎは水分量が多く、辛味も少ないので、サラダなどにして生で食べるのがおすすめです。 お庭でこの玉ねぎが育てられたら、収穫時のテンションも上がりますよ。生でも食べられるフレッシュさが売りの分、長期保存には向かないので収穫したら早めに料理しましょう。  

まとめ

いかがだったでしょうか。『ちいさなたまねぎさん』には喋るニンジンやキャベツも出てくるので、玉ねぎだけではなく、野菜そのものに苦手意識がある小さな子供が興味を持つきっかけを作ってくれるおすすめの絵本です。 わるいねずみに対して、野菜たちはもちろん、しゃもじやおたまなどのキッチンツールが一緒になって戦う様は新鮮で面白いですし、「うちの台所でもこんなことが?」という好奇心にも繋がるハズです。 子供が興味を持ったら「じゃあ家庭菜園で作ってみようかな?」と、検討もしてみてくださいね!    

<ライター紹介>

suzumushi23

絵本とハーブと猫が好きな社会人ライター。 仕事に家事・育児にと時間がないので、家庭菜園に「簡単さ」と「コスパ」を求めて試行錯誤中。

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