野菜好きになる絵本『やさいはいきている』~野菜の生命力がダイレクトに伝わる一冊~
絵本というと可愛らしいイラストのものを思い浮かべますよね。私もそちら系の絵本が大好きで、子供と一緒に毎日3、4冊のペースで読んでいます。子供がお気に入りのものは2カ月くらい毎日読まされたりしてさすがに飽きてしまうこともあるのですが・・・。
そんなマンネリ化にもおすすめなのが、今回紹介するサイエンスの要素の入った個性的な絵本です。この絵本、イラストは一切なく写真での説明のみ。
でもこれなら読んだ後の「やってみたい!」を実現しやすくもありますよ!
やさいはいきている(監修: 藤田 智 /写真: 岩間 史朗)
出版社であるひさかたチャイルドの「しぜんにタッチ!」シリーズのうちの一作です。「しぜんにタッチ!」は様々な視点から様々なテーマで書かれていますので、機会があれば他の作品も紹介したいおすすめのシリーズです。
物語ではないのでネズミやウサギは一切登場せず、可愛らしいイラストの代わりに現実的な写真が使われています。より野菜をリアルに感じられる作りになっており、「化学絵本」とも呼ばれる種類の絵本です。
普段、ママが料理に使った後に生ごみになってしまう野菜の断面ですが、「ちょっとまって!」その野菜の断面、まだ生きています!植物の生命力、命の力強さが分かりやすく伝えられる一冊です。
野菜の切れ端をもう一度育ててみよう!
子供の食育や命の大切さを伝えるために有効な「やさいはいきている」ですが、そこで紹介される野菜の切れ端からの葉っぱの再生は、実は「再生野菜」や「リボべジ(リボーンベジタブル)」などと呼ばれ、近年エコや節約の面で注目を浴びている収穫方法なのです。
子供、大人に限らず誰でも行える野菜の再生ですので、普通は捨ててしまう野菜の根っこ部分やヘタ部分をもう一度復活させてみましょう!
再生野菜の手順
必要なものは、
- 野菜の切れ端
- お皿(プラスチック容器でもOK)
- 水
の3つです。
そして再生野菜のやり方はとってもシンプル!
- お皿に水を入れる
- 野菜の切れ端の切り口部分を1に浸す
- 1日1、2回のペースで水を取り替える
・・・以上です!
ニンジンや大根などの野菜の切れ端は、ヘタ部分を2、3㎝残してカットしたものを使用しましょう。基本的にどんな野菜でも1週間ほど新しい葉っぱが生えてきます。1カ月もすると再収穫が可能になりますので、カットしてサラダやお浸し、お味噌汁などにしてみてください。
もし葉野菜(水菜や小松菜など)で再生を試したい場合には、根っこの部分を5㎝くらい残してカットしておき、プラスチックコップやペットボトルの下半分などに入れて栽培してみましょう。
野菜の切れ端を育てる際の注意点は?
簡単で成功しやすい切れ端の再生ですが、野菜の状態や気温などによって時には上手くいかないこともあります。
分かりやすい失敗症状として、カビが生えてしまったり腐ってしまったりすることがあります。その場合には潔く捨ててしまいましょう。元から野菜に元気がなかったのかも知れませんし、育ちにくい時期だったのかも知れません。
特に夏場だと水の温度が上がって菌が繁殖し、植物が腐りやすい状態になっています。水をこまめに変えたり、水交換の際にぬめりが無いかをチェックしたりして(ぬめりがあったら洗ってあげましょう)より細かく観察し続けることが成功の秘訣です!
まとめ
野菜の切れ端を育てる実験は、親子でやれば幼児の「なんで?」を解決する楽しい作業になりますし、詳しく追及していけば小中学生の夏休みの自由研究にもぴったりです。
さらに大人にとっては節約の一環にもなるので是非ともキッチンガーデニング風に、野菜の切れ端を再生させてみてください。
そして、失敗したからと言って「勿体ない!」「失敗した!」と嘆き悲しむ必要はありません。もともと生ごみになる部分を使っているので、まず「楽しむ」気持ちを大切に、野菜に宿る命の力を活用してみてくださいね。
<ライター紹介>
suzumushi23
絵本とハーブと猫が好きな社会人ライター。
仕事に家事・育児にと時間がないので、家庭菜園に「簡単さ」と「コスパ」を求めて試行錯誤中。