『小さい農業で稼ぐコツ』日本一小さい農家のセミナーに参加しました!
農業ワールド2017でセミナーに参加
2017年10月11日〜10月13日に開催されていた『農業ワールド2017』に行ってきました!そこで”自他ともに認める日本一小さい農家”である菜園生活風来代表・西田栄喜さんのセミナーに参加してきました。
セミナーで聞いた内容について
- 農業ワールドに行けなかった人
- セミナーに参加できなかった人
- 小さな農業に興味がある人
のために、大事なところを簡単にまとめてみました。彼の著書『小さい農業で稼ぐコツ 加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円』の内容に沿ったお話でした。彼はどのようにして農業経営を成り立たせたのでしょうか。
小さい農業で稼ぐコツ
著書(↑)には、サッカーコート半分ほどの大きさの農場で、野菜を販売し生計を立てる西田さんの経営ノウハウが描かれています。
セミナーの概要
西田さんは1時間という短い時間の中で、
- 風来(西田さんの農場)について
- 第一次産業が抱えている問題
- 農家の収入について
- 小さい農業のメリット
- どのようにして収益に結びつけるか
について語ってくださいました。
西田さんの農場は、普通の農家さんの農場の1/10程度の大きさしかありませんが、年間50 種類もの野菜を栽培し、セット販売を行なっています。
小さい農場だからこそ、加工・製造、販売まで全て自分達の力で行なうことができるのです。
『6次産業』という言葉が浸透する前から、西田さんは「生産→加工・製造→販売」を行なっていました。その結果、現在の純利益が年間600万円ですから驚きです。
農業の現状
農林水産省が出している「農業経営統計調査」によれば、専業農家の平均年収は200万円ほどにも関わらず、初期投資に1,000万円、耕地面積に関しては平均して2.27ha(畑の場合は3haは必要とされています)・・・規模に対する年収の少なさに驚きます。
農業にかぎらず「1次産業」そのものが、2次、3次と比較して国内生産額が圧倒的に少ないことも驚きます(↓)。
- 1次産業・・・ 9兆4526億円
- 2次産業・・・36兆3569億円
- 3次産業・・・44兆6361億円
加えて卸売・小売、加工・製造など間に挟まれることで、純利益は野菜1つにつき数十円程度というのも珍しいことではありません。
例えばキャベツ1玉あたりの農家の純利益は、平均小売が150〜200円であれば、21〜28円ほどにしかなりません。
小さい農業のメリット
しかし西田さんは小さな規模の農場をそのままに商売を始めました。小さいからこそできることがあったからです。
小規模だからこそ、生産以外にも手を出すことができる。
西田さんは、野菜を育てる以外の仕事も個人で行ないました。直売という方法をとり、インターネットを介して情報発信を続けます。
著書にもありますが、
- ホームページ
- ブログ
- SNS(TwitterやFacebook)
をうまく使い分け、宣伝も、栽培の途中経過も、個人的なつぶやきも発信し、着実にファンを増やして行ったのです。
小規模なら、膨大な初期投資も必要ありません。また自分の都合で休むこともできるので、体や精神を酷使する必要もありません。
今までの農業の価値観を打ち砕くやり方ではありますが、だからといって最先端なわけでもありません。西田さんはただ、生活するのに必要十分な農業を行なっているのです。
印象に残った部分
彼が「稼ぐこと」を前提に行動していることです。
今までの農業で当たり前だったことは、決して世の当たり前ではない。逆も然りです。それを把握したうえで、西田さんはどうやったら収入が得られるか思考を凝らし、行動を続けています。
特に先にお話したインターネットを利用した情報発信にはかなり積極的で、彼にとっては「パソコンも農機具」なのだそうです。そしてセミナー聴講者に向かい、消費者に対して「伝える能力」が必要だと力強く仰っていました。
また今ではあまり使われない言葉である「百姓」の考え方を大事にしており、収入源を複数持つことを力強く説かれていました。
小さい農業は、これからの社会を生き残る術のひとつに十分なりうるのではないでしょうか。
西田栄喜さんの本2冊を紹介
最後に西田さんの著書を2つご紹介します。
今回のセミナーで西田さんが話していた内容をもっと深掘りしたものが、この本です(↓)。
経営面・金銭面でのリアルなノウハウだけでなく、野菜づくりノウハウも収録。「農業で稼ぐことは考えていないけれど、小さな農業で自給自足生活に挑戦してみたい」そんな人にもオススメの1冊です。
経営面・金銭面をメインにした1冊ならこれ(↓)。脱サラ農業や定年後就農を本格的に考えている人は必見です!
農業を生業とする際、切っても切れないのが「お金(収支)」。この部分をじっくり学びたい人には、『農で1200万円! ――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩』のほうがおすすめ。
風来のホームページは、温かみを感じられるシンプルなデザインが特徴。
→ 無農薬野菜 風来
興味のある方はぜひ覗いてみてください。
<ライター紹介>
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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。