野菜づくりに挑戦したいなら、『プランターで有機栽培』は最高の教科書だ

野菜をつくってみようと思い立った時、我が家では特に教本などは用意せず「土と種とプランターがあれば何とかなるでしょ!」と気軽に始めました。おかげで”失敗”という楽しみも何度か体験しましたが笑、野菜づくりについてより深く知りたいと思った時、この本に出会いました

 

『プランターで有機栽培』は土づくりなどの基礎的な部分が紹介されている1巻と、野菜ごとの育て方について紹介されている2巻があります。

 

私はこの本のことを、野菜づくりを始めたい人のための必修教科書だと思っています。

 

プランターで有機栽培

引用元:photoAC

著者である安藤康夫さんという方のブログ『Hanna-papaの菜園日記2』は現在も絶賛更新中。見ていただければ分かりますが、まるで1つの農場を運営しているかのごとく、あらゆる野菜を育ててらっしゃいます。もう・・・農場なのかな笑?

 

1巻の特徴

プランターで有機栽培1: 土つくり・タネとり・苗つくり』は、主に安藤さんが屋上で行なっている自給自足的な生活についての紹介とともに、彼が行なっている土づくりや種とり、苗づくりの方法が紹介されています

 

土づくりの章に私は感動しました。土壌中にいる小さな生き物達の力を借りつつ、台所から出る生ゴミや発酵食品、街路樹の落ち葉や飼っている動物の糞を利用して、有機分の多い土を手に入れているのですから。ゴミがゴミとして扱われないって素敵だと思います。

 

納豆やヨーグルトで手作りする液体肥料には「ちょっと臭います」という記述があって、現実味があるのが良いと思いました笑。私も大学で発酵について学びましたが、発酵も腐敗も人に害があるか否かが基準なだけですから、きちんと臭います笑。

 

2巻の特徴

一方で2巻は、野菜の育て方について書かれた教科書のよう。ざっくりと春夏野菜と秋冬野菜の2つに分けて栽培方法が紹介されています。もちろん安藤さんの野菜づくりに関する挑戦記のようなコラムもあり、読み物としても楽しいですが、1巻よりは教科書色が強いです

 

ただとにかく非常に読みやすい。間引きや種まきを行なう際のコツが写真とともに紹介されていて、また最後のページには野菜栽培をしているとよく耳にする単語の索引が載っているので「これ、どういう意味?」となってもすぐ理解することができます。

 

2冊とも読んでみましたが、「2巻→1巻」の順で読むことを私はオススメします

 

まず栽培方法が書かれた2巻を読み、土づくりや種取りについても知りたい、または安藤康夫さん自身に興味がわいてしまった、という人は1巻も読む・・・というのがベストな読み方なんじゃないかと思って笑。

 

「やってみよう!」精神が魅力

この非常に読みやすい2冊の本に共通していて面白いなと思ったのは、安藤さんの「やってみよう!」という精神です。

 

例えば2巻。野菜の育て方が分かりやすく書かれていますが、必要最低限の説明しか書かれていないように思えました。もちろん良い意味で。

 

野菜は生き物ですから、教科書通りに成長するとは限りません。「失敗して当たり前」ぐらいのスタンスで育てたい生き物。だからこそ、2巻の内容は「必要最低限の注意喚起はするけど、実際に挑戦してみて失敗も楽しんでみてね!」と言っているように感じたんです。

 

この必要最低限の分かりやすい説明を読めば、大半の人が失敗を恐れることなく、野菜づくりに挑戦できるのではないでしょうか。

 

生態系への意識がすごい

生態系への意識・・・と書くと、ものすごく大それた話のように思えるかもしれませんが、実際には害虫や益虫、飼っている動物や土の中に存在する微生物など、とにかく野菜栽培に関わってくる生き物に意識が向いていることに驚きます

 

例えば野菜を病気にしたり食べ尽くしてしまう害虫の存在。野菜栽培をする身には憎き相手なわけですが、彼は害虫が発生すれば益虫も発生するということを理解しています。

 

そのため必要以上に虫を殺すことはせず、益虫に害虫対策を任せてみたり、葉を食べてしまう害虫を捕まえた後、殺さず堆肥づくり用のプランターに入れて利用してしまいます。飼っていた動物達も、害虫駆除に一役買ったり(時々、野菜をかじってしまいますが)

 

ごくごく自然に生態系の循環が繰り広げられている安藤さんの屋上農園、ものすごく憧れます。

 

循環型・自給農業の見本!

 

本の題名は『プランターで有機栽培』とあり、有機栽培という栽培法にばかり目がいきがちですが、この本はまさしく「循環型農業・自給農業の見本」だと思います。自宅の屋上で野菜を育て、収穫した野菜を食べて生活している安藤さん一家の様子は、素敵だと感じました。

 

息子さんがうずらを自分で孵したお話も面白いです!その生まれたうずらが出す糞を安藤さんが栽培に利用するという循環力に脱帽・・・。

 

読み物としても教科書としても面白い『プランターで有機栽培』。ぜひ一読を。

 

<ライター紹介>

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いつか自給自足生活を送ってみたいライター。ただし生粋のズボラなため、家庭菜園にまず「ラクさ」を求める。失敗は成功のもとなので、失敗してもあまり気にしない。育てるのが好きな野菜はハーブ、ピーマン、ナス。たくさん収穫できて、比較的虫がつきにくいから。

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