「自分で野菜を作る時におすすめの品種」―「ソラマメ」
ソラマメは、豆のさやの部分が天を向いているところから「天マメ」とも呼ばれ、収穫時期になると、さやが下を向き始める豆類野菜です。
種1袋で約1㎏の収穫
市販されているソラマメは、種1袋の中に10粒位の種が入っています。一見、少なさそうに思われますが、全部の種が発芽して順調に成長すると、さや付きで約1㎏の収穫が期待できます。
ソラマメの品種には、ひとさやに3粒くらい実が入る「一寸ソラマメ」やその仲間である
などがあり、どの品種も育てやすいのが特徴です。
ソラマメには、ビタミンB1,B2,C、カリウム、マグネシウム、リン、鉄分、たんぱく質などが含まれています。また、ソラマメの皮には、むくみを取ってくれる利尿作用があり、食物繊維も豊富に含まれているので、皮ごと食べることがおすすめです。
1坪で約2袋分の種が必要
1坪位の面積で育てる場合、約2袋分の種が必要です。
種をまく畑では連作を避け、陽当たりが良い場所を選びましょう。ソラマメの種まき適期は、11月中旬前後ですが、早くまきすぎると厳冬時期に霜害を受けて枯れてしまうことがあります。
種まき前の準備
ソラマメは畝をつくり、種をまきます。畝は、
- 畝幅:70㎝位
- 形状:平ら
- 株間:40㎝位
でつくり、1か所に2粒位蒔きます。
種のまきかた
- 種は、「おはぐろ」と呼ばれる黒い筋がある方を斜め下にする
- 深さが約3センチ位になるように軽く押し込む
- 上から土をかける
ソラマメの芽や根は、「おはぐろ」の部分から伸び出してきます。
間引きと追肥
本葉が4枚位になったら、1本間引きます。
1月中旬頃、株間に乾燥した鶏糞や米ぬかなどをひとつかみ施し、土寄せします。
2月から3月にかけて新葉が出て来たら、株間に化成肥料を施肥し土寄せします。
なお寒害予防・防風のために、株元にわらや干し草を敷いたり、畝の北側に笹竹を立てたりして、霜や寒風からソラマメを守ることをおすすめします。
3月頃になると株元から数本の茎が伸びてきますが、生育の良い茎を3本位残して、他は切り取ります。
草丈が40㎝位になったら、株元から伸び出している太くて生育の良い茎を7本位残して、他を切り取ります。不要な茎を整枝し、光量不足にならないようにすることが目的です。
草丈が60㎝位になったら、
- 株が風によって倒れないように支柱を立てる
- 風によって倒れないよう、数株の周囲全体を紐で囲む
- 茎の先端の摘心
を行います。
特に「摘心」は、実を大きくするには必要不可欠な作業です。初夏頃、最後の花が咲き終わったら、一番上の花の上に付いている葉2枚を残して、その上を摘心しましょう。
虫対策
4月から5月頃になると、芯葉の部分にアブラムシが群生しやすいです。
被害が大きい時には薬剤散布を行いましょう。ソラマメはさやの中に入っている豆を食べるので、アブラムシによって生育被害を受けるぐらいなら、表面への薬剤散布を選択したほうが適正と言えるでしょう。
収穫と種の採り方
ソラマメの収穫は、種類によって異なります。天を向いているさやが下を向いたら収穫時期のものが多いですが、さやに茶褐色の斑点がでてきた頃が収穫時期の品種もあります。
どの品種も収穫時期になったら、下の方に育ったものから順に収穫をしていきます。
また秋の種まき用に種を採ってみましょう。
収穫の際、下の方に育ったものを種用として残し、さや全体が黒くなって乾燥してから採ります。さやのまま密封袋に入れ、次回の種蒔きまで保管します。
ソラマメは、収穫すると鮮度が早く落ちやすく、旬の期間も短いですが、自分で栽培すると、“旬”のソラマメを食べることができるので、自分で野菜を作る時におすすめの品種です。
<ライター紹介>
Rikuw
はじめまして。自分で野菜を作って自給自足生活を目標にしているライターのRikuwです。
私の野菜作りは失敗も多いですが、毎年、少しずつ上達しています。
自らの体験を通して、ズボラで面倒くさがり屋さんでも出来るだけ簡単で失敗しない野菜の作り方をお伝えしていきたいと思います。
一緒に野菜作りを楽しみませんか。